文部科学省は、小田原短期大学（神奈川県小田原市）の保育学科通信教育課程で、幼稚園教諭２種免許取得に必要な単位取得試験の際に模範解答の持ち込みが確認されたとして、不適切だと行政指導した。 阿部文部科学相が１日、閣議後記者会見で明らかにした。 同短大によると、同課程の単位取得最終試験にあたる「科目修得試験」で２０２０年度から、試験への持ち込みが認められた「学習の手引き」に掲載されたものと同じ問題が出された。試験問題の１６％を占め、学生は模範解答を書き写せる状況だった。２３年度は１７５９人が同課程を修め、２種免許を取得した。 文科省は今年３月、「丸写しできる状況の試験での単位認定は不適切だ」とし、改善を求める行政指導を口頭で実施。同短大は手引きに載っている問題は出題せず、模範解答の持ち込みを禁止する対応を取ったといい、「ホームページに書いてある以上のことはコメントできない」としている。 模範解答の試験への持ち込みを巡っては、同短大と同じ学校法人が運営する「札幌こども専門学校」（札幌市中央区）の元教員の男性（４５）が６月３０日、内部告発したことを理由に懲戒解雇されたのは不当だとして、運営法人を相手に地位確認などを求める仮処分を札幌地裁に申し立てた。
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