佐渡の太鼓芸能集団「鼓童」。今回、オーストリアでウィーンのオーケストラと共演しました。指揮をとったのは世界で活躍する佐渡裕さん。音楽の都で圧巻のパフォーマンスを見せました。 オーストリアのザンクト・ペルテン。バロック様式の建物が美しい街並みを作り出しています。モーツァルトやシューベルトなど名だたる音楽家を輩出した音楽の本場。首都・ウィーンからは車で1時間ほど離れていますが、街には音楽の文化が息づいています。 ことし5月下旬。佐渡の太鼓芸能集団「鼓童」はオーストリアでツアーを行っていました。初日はウィーン。2日目のこの日は、ザンクト・ペルテン。2年に1度、ヨーロッパでツアーを行っている鼓童。ウィーンで活動する「トーンキュンストラー管弦楽団」と共演したのです。 そのオーケストラの音楽監督を務めているのが、世界的な指揮者の佐渡裕さんです。 〈指揮者　佐渡裕さん〉 「鼓童と一緒にやりたい、鼓童はもう世界的に有名ですし、技術もすごいんだけど日本人の魂みたいなものを震わせてくれる、ヨーロッパの典型的なウィーンのサウンドとお互いがリスペクトし合いながら、なんて日本の文化はすばらしいんだろみたいな。ふさわしい組み合わせが実現した」 佐渡を拠点とする鼓童と世界最高峰のオーケストラ。どんな融合を見せるのでしょうか。 コンサートは鼓童の演奏で幕を開けました。テーマは世界の文化とのコラボレーション。会場を包み込む和太鼓の音…。そして、オーケストラとのアンサンブル。鼓童と初めて共演する佐渡裕さん。力強くタクトを振ります。音楽通をうならせる圧巻のパフォーマンスに会場はスタンディングオベーションで応えました。 〈鼓童　住吉佑太さん〉 「僕らが思いっきり叩いても大丈夫なぐらいのオーケストラの皆さんのパワフルさと、あとは演奏しながら皆さんと目が合うというのがすごい新鮮で、魂が震えるような経験をさせていただきました。ウィーンでの経験を日本の皆さんにもお届けしたいなと思っているので、また機会があればぜひご一緒したい」 指揮をとった佐渡裕さん。日本の魅力を見つめ直したといいます。 〈指揮者　佐渡裕さん〉 「オーストリアと日本の大きな懸け橋になったコンサートだった。日本のすごい魅力をオーストリアのたくさんの人たちを日本に連れて行ったような、佐渡島に連れて行ったような旅をしたような気分になりました、本当に日本ていいなと思いました、ありがとうございました」 魂のこもった演奏。全身を打つ、その鼓動は音楽の都でも力強く鳴り響いていました。