【ウィンブルドン（英）＝平地一紀】テニスの四大大会第３戦、ウィンブルドン選手権は２日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで男女のシングルス２回戦が行われ、女子で四大大会通算４勝の大坂なおみ（フリー）はカテリナ・シニアコバ（チェコ）を６—３、６—２のストレートで破り、３回戦に進んだ。 　第１シードのアリーナ・サバレンカ（ベラルーシ）も２回戦を突破した。 　男子では、予選から勝ち上がった望月慎太郎（木下グループ）が、第１７シードのカレン・ハチャノフ（ロシア）にフルセットの末、敗れた。第２シードのカルロス・アルカラス（スペイン）は勝ち上がった。 　女子ダブルスでは、二宮真琴（エディオン）、ウルリケ・アイケリ（ノルウェー）組が１回戦で敗退した。 ◇ 　午後７時半を過ぎ、大坂の一言に記者会見室はどっと沸き、和やかなムードに包まれた。「試合をしながら、７時４５分までに帰りたいと思っていた。なぜ今、皆さんの質問にこんなに長く答えているのか自分でも分からない」。２日は、長女シャイちゃんの２歳の誕生日。宿舎で待つ我が子のため、足取り軽く会場を後にした。 　苦手意識のあった芝のコートでも、今回はフットワークがさえている。「すごく動けている。少し変わったハードコートでプレーしているような感覚がある」という。パリ五輪金メダルの鄭欽文（中国）を初戦で破ったシニアコバを圧倒した。 　２試合連続のストレート勝ちで、７年ぶりに３回戦に進出。「自分が走れることが分かっているから、落ち着いてパニックにならず、強打を狙いすぎないことを意識した」。バックハンドでもしなやかに厳しい場所へと打ち返し、ポイントを積み重ねた。 　シャイちゃんの存在を励みに、初夏の英国滞在を延ばす２７歳。「もっとここで試合を重ねたい」という言葉には、自信が感じられる。 惜敗の望月慎太郎「気持ちや体の成長感じた」 　２０１９年のジュニア部門を制している２２歳の望月が、実力者ハチャノフに惜敗した。意表を突くドロップなど多彩な技で１セット目を先取。２セット目をタイブレイクの末に落とすと、徐々に相手の強打に押されてポイントを奪われ、競り負けた。今大会は１回戦で四大大会初白星をマーク。「技術だけでなく、気持ちや体の成長も感じた芝シーズンだった」と手応えを語った。