怒りの出馬か? 山尾志桜里氏は玉木雄一郎氏から「愛知県出禁」を言い渡されていた 5月上旬に「違反したら公認取り消し」の覚書を締結

 国民民主党から参院選の全国比例候補の公認を取り消された山尾志桜里氏が、無所属で東京選挙区から出馬すると表明した。同党関係者は「玉木雄一郎代表に一矢報いたい気持ちもあるのでは」と推測する。実は公認が取り消される前の5月上旬、玉木氏は山尾氏のプライドを傷つけるような“御法度”まで言い渡していたというのである。  *** 【写真】“美魔女”と呼ばれていた山尾氏と無所属出馬会見に臨む山尾氏 前回から一転、和やかだった「出馬会見」  7月1日午前、急遽発表された「山尾氏出馬」の情報に永田町は騒然となった。 「公認取り消し後も政界へカムバックを目指すと公言してはいましたが、まさかこの参院選に出馬するとは予想していなかった」(政治部記者)  いくら知名度があるとはいえ、大混戦と言われる東京選挙区において無所属で戦うのは厳しいという見方が大勢である。準備不足もあるし、“不倫”を認めずに逃げ続けた姿勢を批判する声は依然として大きい。ただ記者は「勝機はゼロとはいえない」と続ける。 山尾志桜里氏、玉木雄一郎氏 「山尾氏を政策通として評価する有権者は決して少なくありません。玉木氏の非情な裏切りに対する“同情票”が集まれば、善戦する可能性はあります」(同)  急遽午後4時から開かれた山尾氏の仕切り直しの出馬会見に行くと、前回とは打って違って和やかな雰囲気だった。 「プライベートな質問は前回質問が尽きるまで回答を重ねたので受け付けない」と事前に告知され、不倫に関する質問が出なかったことが直接的な要因ではある。 「リベンジの気持ちはない」と答えた山尾氏  一方で、山尾氏の腰の低さも記者たちの追及ムードを抑えていたようにも見えた。 「狭い場所で大変申し訳ありません」 「わざわざお越しいただきありがとうございます」  終始、山尾氏は丁寧な言葉で記者たちに接していた。 「頼り頼られという人間関係の大切さを最近少し覚えられたと思います。議員時代はそういうところがあまり出来ていなかった」  こんな言葉で謙虚にこれまでの自分を振り返った姿も印象的だった。  記者たちが知りたかったのは、無所属になってまで出馬するモチベーションである。山尾氏は「左右両極の分断が進む今、中道政治をあきらめたくないからです」と訴えた。 「国民民主にリベンジしたい気持ちはあるのか」というストレートな質問も飛び出たが、「全くありません」「私自身は(他党の候補者を)非難して勝ち上がっていくような選挙戦にするつもりはございません」と否定した。  だが国民民主党関係者は「本心はわからない」と訝る。 「今はだいぶ収まったようですが、公認を取り消された当初、山尾さんは玉木さんに怒り心頭で訴訟も辞さない構えだった。確かに党内の事情通からこれまでの経緯を聞くと、山尾さんが玉木さんに感情的になるのも無理はない。玉木さんはかなりひどいことを山尾さんに繰り返してきた」 愛知県内の国民民主関係者の間で起きていた猛反発  デイリー新潮は公認取り消しが発表された直後の記事で、山尾氏は玉木氏が世間についた「2つの嘘」に怒っていると報じた。一つは玉木氏が記者会見で「近く山尾氏に会見をさせる」と言いながらも、ウラで山尾氏に「会見を開くな」と止め続けていたこと。もう一つは、公認取り消し後に「山尾氏には謝罪した」とSNSで発信しておきながら、実際は「ごめんね」と一言携帯メッセージを送っただけだったことだ。  国民民主党関係者は「もう一つの怒りポイント」があるというのである。 「5月上旬、玉木さんは一方的に山尾さんに対して『愛知県出禁』を言い渡しているのです」(前出・国民民主関係者)  山尾氏は衆院愛知7区を選挙区として3期当選を重ねた。国民民主の全国比例候補として出馬準備を進めていた際も、元々地盤としていた愛知県に事務所を構えて選挙活動を展開する予定で準備を進めていたという。  だが、4月下旬、国民民主が山尾氏を擁立との一報が流れると、愛知県内の国民民主関係者や支援労組は激しく反発。途端に玉木氏は慌てふためき、「愛知県での活動を控えてほしい」と山尾氏に言ってきたというのだ。 愛知県内の事務所設置や愛知7区の労組、党員関係者への接触を禁止 「もちろん愛知県内から噴出した反発は、元々山尾さんが地元を大切にせず、放り投げるような形で辞めたことから発した話で、山尾さんに非がある。ただし、山尾さんからすれば玉木さんに了解を取って話を進めてきたのにいきなり『愛知に入るな』はないだろうとなった。愛知県内の関係者全員が反発しているわけではなく、変わらず彼女を応援する支援者もいます。そもそも玉木さんが自分から出馬するよう誘ったのだから責任を取って、党首として間に入って反発を抑えるべきだろうと」(同)  だが、玉木氏は連休明けの5月上旬、「愛知県出禁」を誓約させる「覚書」までかわすよう要求してきたというのだ。 「愛知県内に事務所や後援会事務所を設置しないこと、愛知7区の党員関係者へ一切接触しない、名簿も使用しない、愛知県内のメディアには一切出演しない等、事細かく活動を制限する内容で、違反したら公認を取り消すとまで書かれていた」(同)  山尾氏は最終的にその要求に応じ、覚書にサインしたという。そして学生時代に住まいとしていた東京・吉祥寺に事務所を構えた。今回無所属で出馬する際の拠点になっている事務所である。 「会見を開くな」「愛知には入るな」…。政界に返り咲きたかった山尾氏は玉木氏から次々と突きつけられる要求に従い、がんじがらめになりながらも耐え続けた。最後は「辞退会見なら同席する」とまで言われたが、断って一人で「謝罪会見」を敢行。だが、その会見で沸き起こった批判を理由に結局、公認を取り消されたのである。 「覚書」について国民民主党と山尾事務所に質問状を送ったが回答はなかった。  鳴り止まない過去の不倫への批判は自業自得であるが、玉木氏に翻弄され続けた山尾氏の怒りはわからなくもない。彼女の闘争心に火をつけた張本人である玉木氏は、一人でも闘うと立ち上がったかつての仲間の姿をどう見ているのだろうか。  関連記事【山尾志桜里氏は国民民主党に対して「訴訟も辞さない構え」 メッセージで一言“ごめんね”の玉木代表に「これのどこが謝罪だ」と激怒】では、山尾氏を感情的にさせた「玉木氏が世間についた2つの嘘」について詳報している。 デイリー新潮編集部

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