周囲に見せていたという“卒業証書”とは何だったのでしょうか。学歴詐称を疑われている静岡・伊東市の田久保市長が記者会見を開きました。そこで明らかにしたのは、大学の「卒業」ではなく「除籍」。2日夜、市長に市民から厳しい声が飛びました。 【写真を見る】「今の状況をすべて投げ出して、逃げ出すようなことはしたくない」と声を震わせる田久保市長 「市民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」“学歴詐称”疑惑市長に厳しい声 2日夜、市民に釈明した静岡県伊東市の田久保真紀市長。 伊東市民 「市民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」 伊東市 田久保真紀 市長 「同じようなお叱りを本日受け、私のほうも反省させていただいたところ」 東洋大学を卒業したのか、していないのか。渦中の市長が会見を開きました。 伊東市 田久保真紀 市長 「私が自ら公開している経歴に関して『問題ございません』と一貫して説明してきた。その点については現時点においても変わりはございません。私が経歴を詐称しているというようなことは一切ございません」 「問題ない」ということは、東洋大学を卒業していたのでしょうか。 伊東市 田久保真紀 市長 「6月28日土曜日に卒業証明書を取りに(東洋)大学の教務課に私自身が出向きました。申請手続きを行ったところ土曜日ということもあり、『卒業』は確認ができませんでした。『除籍』ということがその場で判明」 大学「卒業」ではなく「除籍」 5月に初当選したばかりの田久保市長 田久保市長は5月に初当選したばかり。バイク便のライダーやカフェ経営をしていたといいますが、2019年、伊東市議に転身し市長選では「新たな図書館計画の中止」を訴え、現職との一騎打ちを制しました。 問題の発端は就任早々の6月上旬、複数の市議に届いた文書でした。 「東洋大学卒ってなんだ!中退どころか除籍であったと記憶している」 市の広報誌にも書かれている「東洋大学法学部卒業」という市長の最終学歴について“疑義”が持たれたのです。 田久保真紀 市長 「(Q.東洋大学法学部経営法学科を卒業で間違いありませんね?)このような怪文書といったような卑怯な行為を行う人間の一定の要求を満たすことは次の怪文書、次の怪文書、市民に対しても何か圧力をかける、そういった行為の助長になると考えている。私からの個人的な発言については控えさせていただく」 先週の議会で文書を“怪文書”とし、明確な答弁を避けていた田久保市長。 田久保真紀 市長 「(Q.“怪文書”が指摘した通りだった?)『中退ではなく除籍』と書かれていたが、大学側から示されたのは『除籍』でした。自分自身もそこについては非常に驚いている」 同級生は驚き「大学卒業式後には居酒屋に」 思いもよらぬ除籍に本人も驚いている様子ですが、もっと驚いたのは同級生です。 東洋大学時代の同級生 「私も驚きです。僕の中では少なくとも彼女は絶対卒業していると思っていました。(Q.卒業式に田久保市長は出ていない?)会ってはないんです。だけど(卒業式の日の)夜に、朝まで池袋の居酒屋で飲み明かしたのは確か」 田久保真紀 市長 「(Q.田久保市長は大学に何年行っていた?)本当に正直に申し上げますけれども、大学時代後半は特にかなり…自由奔放な生活をしておりまして。正直いつまでときちんとお答えできるような通学の状態ではなかった。恥ずかしい話だが事実。私自身がバイクに乗って色んなところに行って、住所不定のような状態になっていたり連絡がつかなかったような状況もあります」 一体何をもって、卒業と認識していたのでしょうか。 田久保真紀 市長 「勘違いしていたんだろうと言われるとそれは全く否定できない。一度、卒業という扱いになって、今どうして除籍になっているのか、確認ができ次第、示していくしかない」 “卒業したはずなのに除籍になった”という認識を示した市長。東洋大学は… 東洋大学 「卒業後に除籍となることはありません」 また、除籍が決定した際は、保証人にその旨を通知する文書を送ることになっているといいます。 疑惑の浮上後、田久保市長から「卒業証書」を見せられたという市議会の副議長は… 伊東市議会 青木敬博 副議長 「これが卒業証書だとするとこういう感じで開いて、自分たちが身を前のめりにした瞬間、閉じて引かれちゃう。またパッと見せてひっこめちゃうという感じ。(Q.今思うと何だった?)偽物ですよね」 市長が見せた「卒業証書」とは一体何だったのか… 田久保真紀 市長 「その時は私の経歴がきちんと証明できる証明書として機能する、卒業証書であると認識はしていたんですが、今持っている材料では話ができないというのが現状」 はっきりとした答えはありませんでした。 田久保市長は選挙の際、東洋大学を卒業していると公表していないことから、公職選挙法違反にはあたらないと主張。 ただ、選挙前の報道各社に対する回答では「東洋大学法学部経営法学科」と書いた後、卒業にマルをつけていました。 伊東市議会は2日、辞職勧告決議案を出す方針を固めましたが、本人は… 田久保真紀 市長 「今の状況をすべて投げ出して、逃げ出すようなことはしたくないと考えている」