「逃げ出すようなことはしたくない」──7月2日、“学歴詐称疑惑”が取り沙汰されていることを受け、記者会見を開いた田久保真紀伊東市長(55)。これまで、田久保市長は自身の経歴を東洋大学法学部卒としてきたが、この会見で同大学を“除籍”になっていることを認めた。 【写真】「実業家の一面も」田久保市長が経営する「カフェ」 同氏によれば、除籍が確認されたのは6月28日のこと。“詐称”の認識については「“勘違い”だったと言われると否定できない」などとも弁解している。大手紙記者が話す。 「田久保市長は、市長選出馬の際に報道機関が記入を依頼する『経歴調査票』に『平成4(1992)年3月 東洋大法学部経営法学科』と記入していたことがわかっています。 会見では市長選における公職選挙法抵触の可能性も指摘されましたが、同氏は『選挙時に“東洋大卒”と言っていないので法的に問題ない』などと見解を示しています。これを受けて伊東市議会は、強い調査権限がある百条委員会を設ける方針を固めている」 田久保市長はことし5月に行われた市長選挙で初当選したばかり。期待の新市長として歩み始めた最中でのトラブルだった。 「田久保氏は大学進学を機に上京。広告代理店での営業職などを経て、地元である伊東市に戻りカフェを開設。市内で母親と不動産業を営むなど、実業家としての一面もある。 ことしの市長選には、前市長時代の“40億円図書館”設立計画と、伊豆高原のメガソーラー建設計画に反対する対抗馬として出馬。この問題に疑義を呈する市民らの票を多く得て、見事に当選を果たした。選挙では若年層の票や女性票が多かったとも言われています。 本人はこれまで進退について明言していませんが、『いま辞めて市民のためになるのか』などと、続投をほのめかしている。また3日午前、市議会の中島弘道議長らと面会した際には『百条委員会の設置をやめてほしい』と依頼したということです」 一連の問題が明るみに出て、市内にも波紋は広がっている。伊東市の秘書課担当者が語る。 市役所が“パンク状態”に 「市役所のほうに全国からいろいろなご意見が届いております。昨日の会見以降、問い合わせが殺到し、確認できているだけで200件近くクレームなどがありまして……。基本的に担当は秘書課と広報課なのですが、今日になってからそれ以外の部署も対応しなければいけない状態です。昨日以上の問い合わせがあると思われますが、もうカウントもできていないんです。ただ少ないですが、中には支援者の方から励ましのご連絡もございます」 記者が市長の今後の進退についても問うと、次のような答えが返ってきた。この担当者が続ける。 「申し訳ありませんが、この問題については特定の一社からの取材は受けないということになっております。今日の昼頃、囲み取材のようなものを行ったのですが、その時点では進退は明言されておりません。この件については、議会とよく話し合って方針を固めるようで、今日明日ですぐ結論がでるようなことはない」 市も問題の対応に追われ“パンク状態”のようだ。進退に注目が集まるなか、裏では“ある動き”も見せているようだ。田久保氏が経営するカフェの関係者が明かす。 「報道があった後、お客さんや選挙で支援してくださった方々には『こんなことになって申し訳ないです』と伝えてまわっていますよ。疑惑があがってしまったこと自体は、もう取り返しがつかない。あとは市民の皆さんがどう思うかという話だと思います。本人がこんな騒ぎになってしまって申し訳ない、とは思っていることは事実だけど、真摯に対応していくはずですよ。『逃げも隠れもしない』とも話していますしね」 紛糾を続ける伊東市議会──。今後の田久保市長の言動に注目が集まるところだ。 情報提供募集 「NEWSポストセブン」では、情報・タレコミを募集しています。情報提供フォームまたは、下記の「公式X」のDMまで情報をお寄せください。 ・情報提供フォーム:https://www.news-postseven.com/information XのDMはnews_postsevenまでお送りください。