火事や災害の現場に駆け付け救助にあたる消防士。県内の消防本部の精鋭が集まり、救助技術を競う大会が開かれました。プライドをかけた熱き戦いです。 身長をはるかに超える壁を仲間と連携して飛び越えます。 「いけー！」 全身を使って水平に張られたロープを渡り。 新潟市消防局で開かれたのは救助技術を競う大会。県内19の消防本部に3000人以上いる消防士。その中から選ばれた252人の精鋭が出場しました。 〈新潟市消防局　阿部一彦 消防局長〉 「さまざまな災害が発生している中で、こういった訓練を通じて人を助ける気持ちをまた新たにしていただいて、救助技術を今後も磨いていただきたい」 この日の最高気温は32.9℃。真夏のような暑さの中、同僚や家族が熱い声援を送ります。 チームで連携し、5つの障害を乗り越えその確実さやスピードを競う「障害突破」。隣接する建物への移動を想定し、20メートルのロープを往復する「ロープブリッジ渡過」。大会では8種の競技が行われました。 〈新潟市消防本部　望月馨 消防士〉 「1位通過が決まったということで今はほっとしています。東北大会でも自分たちの一本、いつも通りの一本を通して1位通過を目指したい」 〈新潟市消防本部　外角駿 消防副士長〉 「現場もとても緊張しますし、この救助大会もとても緊張しますので、緊張した場面で普段通りの行動がとれるという部分ではとても現場とつながる」 こう話すのは新潟市消防本部の外角駿さん。 緊張した現場…それがことし3月に岩手県大船渡市で発生した大規模な林野火災。外角さんは応援部隊として現場に派遣され、消火活動にあたりました。 〈新潟市消防本部　外角駿 消防副士長〉 「私が行ったときはまだ山などが多く燃えている状況で、視界も悪く、昼夜問わず放水をしていた」 時には一刻を争う現場にも出動する消防士。技術を競う「大会」とはいえ、その先には常に「現場」を見据えています。 〈新潟市消防本部　外角駿 消防副士長〉 「緊張の中でも動ける隊員、そういう隊員になりたいと思っていますので、今回の救助大会も通して現場で動ける隊員になりたい」 火事や災害の現場に駆け付ける消防士。こうした日頃の訓練の積み重ねが私たちの命や生活を守ってくれています。