【ジュネーブ＝船越翔】国際原子力機関（ＩＡＥＡ）は４日、イランに駐在していた査察官をウィーンに退去させたと発表した。 米国やイスラエルの攻撃で中断していたイランの核施設の監視活動は、早期再開が難しくなった。 ＩＡＥＡは退去の理由を明らかにしておらず、査察官がイランに戻る時期も見通せない。イランは米国やイスラエルによる核施設攻撃を非難しなかったなどとして、ＩＡＥＡやラファエル・グロッシ事務局長を強く批判していた。ロイター通信はイラン駐在の査察官を巡り「安全を懸念する声が上がっていた」と報じた。 ＩＡＥＡによると、イスラエルとイランの交戦が始まった６月１３日以降、査察官はイランの核施設に立ち入りしていない。ＩＡＥＡは被害の詳細や核物質の保管状況などを把握できていない状態が続いている。 イランでは同２６日にＩＡＥＡへの協力を凍結する法律が成立した。ＩＡＥＡは「イランでの監視や検証活動の早期再開に向け、協議することが重要だ」とＸ（旧ツイッター）に投稿し、イランに対話を呼びかけた。
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