愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動

 自由に出歩くことが難しい皇族方にとって、御所内で動物たちと触れ合う時間は癒しのひとときだ。しかし別れのときは必ずやってくる。天皇ご一家が家族の一員のようにかわいがっていた愛犬も、このたび虹の橋を渡った。 【写真】陛下の足元に寄り添う由莉、ライトブルーのスーツと帽子を合わせる雅子さまと愛子さま  お別れの日もその翌日も、愛子さまは社会人としての務めを果たされた──。宮内庁は6月26日、天皇ご一家が飼われていた愛犬の由莉が老衰で死んだことを明らかにした。 「16才と4か月でした。息を引き取ったのは23日の夕方頃で、勤務先の日本赤十字社(以下、日赤)から帰宅された愛子さまは、ご両親とともに最期を看取られました。いつも通りに出社された愛子さまでしたが、内心は気が気でなかったようで、足早に職場を後にされたそうです」(宮内庁関係者)  愛子さまにとって愛犬を看取る経験はこれが初めてではない。小学生の頃、先代の飼い犬・まりがその生涯を閉じたときには、翌日、学校に遅刻されたほど気落ちされていた。それから時が経ち、愛子さまは悲しみを抱えながらも、すべきことに向き合われていた。 「どれだけつらくても、仕事を休んだり公務に穴をあけたりはできないとお考えになられたのでしょう。翌24日も日赤に出勤され、午後は皇居・宮殿で開催された茶会に予定通り出席されました。ただ、涙こそ見せなかったものの、表情にはいつものはつらつとした明るさがなかったように見受けられました。愛子さまにとって由莉は16年以上連れ添った“妹”のような存在でしたから、無理もないのかもしれません」(皇室記者)  雑種のメスである由莉が天皇家に迎え入れられたのは2009年春、愛子さまが7才のときだった。 「その年の2月にまりが息を引き取りました。ずっと一緒にいた愛犬との別れは、愛子さまの心にぽっかりと大きな穴をあけ、傍から見ても心配になるほど憔悴されていた。少しでも悲しみが癒えるようにと、まりと似た顔立ちの犬がいないか探されていた両陛下は、かかりつけにしていた動物病院から『当院で保護した子犬はどうか』という打診を受け、引き取ることを決めたそうです」(前出・皇室記者)  愛子さまは生後2か月だったその子犬に「ゆり」と名付け、その後漢字を習うと、「由莉」という字を充て、いまの名前になった。 「愛子さまは由莉を心底かわいがっておられ、自らリードを持ち当時のお住まいがあった赤坂御用地内を散歩することもしばしばでした。すでに犬を飼っていたのでしつけの方法はわかっていたはずですが、改めてトレーナーにお願いしてアドバイスを受けるなど真摯に向き合っていらっしゃいました」(前出・皇室記者)  そうした愛情を一身に受けた由莉は賢く穏やかな性格に育ち、たびたび愛子さまと一緒に写真に収まった。そのときのトレードマークが首元のバンダナだ。 「由莉のかかりつけの動物病院では、診療が終わると首元にバンダナを巻いて飼い主に戻すという独自の“おもてなし”があって、愛子さまはその姿を非常に気に入られたようなのです。やがて普段から由莉の首元にはバンダナが巻かれることも増え、イニシャル入りのバンダナを自作されたり、ご自身のお召し物に合わせて柄をコーディネートされるようになりました」(前出・皇室記者)  手塩にかけて育てられた由莉もまた飼い主を励ましてきた。愛子さまは小学生の頃、学校生活に不安感を抱かれおひとりでの登校が困難だった時期があり、欠席や雅子さまとの“同伴登校”が続いた。1年7か月に及んだ不安定な学校生活に終止符を打つ愛子さまの背中を押したのが、ほかでもない由莉だった。 「愛子さまが久しぶりの“ひとり登校”をされた2011年9月下旬、由莉は東宮職にリードを握られながら、ゆっくりと後ろを歩いていました。愛子さまは何度も振り返りながら歩を進め、校門に到着すると、由莉に小さく手を振って校内へと入っていかれました」(前出・皇室記者)  愛子さまと相思相愛で育った由莉は、穏やかな性格を生かし、社会貢献活動も行っていた。長年皇室取材を続ける放送作家のつげのり子さんはこう語る。 「譲り受けた病院からセラピー犬の存在を聞き、共感されたご一家は『お役に立てるなら』と訓練を受けられたそうです。セラピー犬とは、入院中の患者の元へ出向いて癒しをもたらす犬のことで、由莉はコロナ禍の前まで、小児病棟で子供たちと触れ合うといった活動をしていました」 亡きがらは赤坂御用地内に  天皇ご一家は由莉のほかにもたくさんの動物を保護し、ともに過ごされてきた。まりは赤坂御用地に迷い込んできたところを保護された犬の子供で、まりや由莉と同じく頻繁に天皇ご一家の家族写真に登場する猫のみーやセブンもまた保護猫だった。御所でけがをしたタヌキを見つけ、看病されたこともある。 「幼少期から動物に囲まれて育った愛子さまは、中学1年生の頃に『看護師の愛子』という小説を書かれていて、主人公の『愛子』が小説内でもカモメやペンギンをかいがいしく看病されていました」(皇室ジャーナリスト)  愛子さまの動物愛の深さは、母である雅子さまに由来しているのかもしれない。 「雅子さまは犬や猫はもちろん、ヘビやイグアナなど、どのような動物にも分け隔てのない愛情を示される無類の動物好きです。雅子さまが小学生の頃、自分の周りで犬や猫が生まれるともらい手探しをする先生がいたそうで、雅子さまも雑種犬を譲り受けたことがあるそうです。天皇ご一家が動物の保護に高い関心を示されるのは、雅子さまのそのときの思いが陛下や愛子さまにも共有されているからではないでしょうか」(つげさん)  しかし、どれだけ愛を注いでも動物との別れは避けられない。いつまでも亡きがらを手元に置くことはできないため、一般的なペットは死後、土葬や火葬で埋葬される。 「飼い主が皇族であっても大きな違いはありません。まりのときは遺体を火葬したのち、しばらくは御所で遺骨を安置し、その後埋葬したといいますから、由莉についても同じような方法が取られるのではないでしょうか。  埋葬場所については、赤坂御用地内だとみられます。皇室には『胞衣埋納の儀』と呼ばれる、女性皇族が出産後、地中に胎盤を埋める儀式があります。その場所が赤坂御用地内にあり、近くに動物を埋葬する場所もあると聞きますから、そこに埋められるのでしょう」(前出・皇室記者)  愛子さまとともに成長し、成年皇族として立派に公務を務める姿を見届けてから最期の別れを告げた“妹”は、ご一家との思い出の地で永遠の眠りにつく。 ※女性セブン2025年7月17日号

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