「大谷」「ジャッジ」の異次元対決がMLBを本気にさせた…「2026年WBC」で侍ジャパンにたちふさがる“史上最強のアメリカ代表チーム”

ジャッジの打棒爆発では必ず…  ドジャース・大谷翔平(31)の二刀流復活とその人気が、メジャーリーガーを本気にさせてしまった——。 【写真を見る】「WBCに出たい!」と本人が熱望? 出場が有力視されるメジャーリーガー  現役最強のスラッガーとも称されているヤンキースのアーロン・ジャッジ(33)が1試合2ホーマーで「5年連続30本塁打」に到達したのは、現地時間6月29日のアスレチックス戦だった。6月を終えた時点での打撃成績は打率3割5分4厘、本塁打30、打点67。チームにおける打撃貢献度を表すOPS(出塁率+長打率)でも1.175と圧倒的な数値を残している。だが、そんなジャッジの打棒爆発が伝えられるとき、比較対象として登場するのが大谷だ。 WBCアメリカチームのキャプテンになるヤンキースのアーロン・ジャッジ 「ジャッジが30号を放った時点での大谷の本塁打数は29。アスレチックス戦1試合で本塁打数が逆転したので、米メディアの多くは『大谷よりも先に30本の節目に到達した』とも報じていました」(米国人ライター)  MLB公式サイトによると、ジャッジがシーズン85試合目までに30本以上を放つのはこれが4度目で、「これはベーブ・ルースにも並ぶ快挙」と伝えていた。今シーズンのジャッジは打点、打率ともにリーグトップ争いを繰り広げているが、本塁打では今季絶好調のマリナーズのカル・ローリー(28)が2本も上回っており(同時点)、首位打者争いではアスレチックスの新星、ジェイコブ・ウィルソン(23)が猛追撃を続けている。タイトル争いで“思わぬ伏兵”に苦しめられている様子も伝えられていたが、ジャッジに関するニュースで目にするのは、やはり大谷との比較だ。 「2人の比較は、大谷がエンゼルスに在籍していた22年シーズンから続いています。大谷は投手としてもサイ・ヤング賞4位の投票数を獲得し、打者としても34本塁打を放ちました。同年、ジャッジはシーズン62本塁打を放ち、シーズンMVPの行方は最後まで予想できませんでした。その年の後半は、『二刀流と62本塁打、どちらに価値があるのか』という結論の出ない議論が毎日報じられていました。大谷がヤンキース、エンゼルスの所属するア・リーグからドジャースのあるナ・リーグに移籍した今も終わっていません」(前出・同)  2人のライバル物語は決してネガティブなものでない。むしろ、メジャーリーグ全体に大きなプラス効果をもたらせたようだ。 大谷効果がWBCにも  奇しくも2人がともに2025年5月の月間MVPに選ばれたときだった。メジャーリーグ機構はその発表に合わせるように会見を開き、「野球人気の回復」を宣言した。メジャーリーグ中継やストリーミング視聴者数が増加しているとし、具体例としてFOX、ESPNを出し、前者が10%増、後者は22%増だと伝えた。さらに日本でのメジャーリーグ人気が高いことも挙げ、試合中継の契約を結んでいるNHKも視聴者数が前年比22%増で、 「東京ドームで開催されたドジャースとカブスの開幕戦を除いても、平均視聴者数は270万人。21年以降5年連続で増加している」  と表明した。人気回復の要因として、試合テンポを速めるピッチクロックの導入や、通称「大谷ルール」と呼ばれるDH制の改訂を挙げた。  大谷が先発投手として降板した後もDHでの継続出場が可能となるこのルール変更で、打者成績がアップしたことは本当だが、会見に臨んだ機構スタッフはこうも語っていた。 「大谷、ジャッジらスター選手が華やかな活躍をしている。それが大きい」  2人が対決した昨年のワールドシリーズの平均視聴者数は約1580万人(米国内)で、過去5年間では最多。AP通信が発表した23年のワールドシリーズの平均視聴者数は910万人だったので、大谷、ジャッジの活躍が野球人気の回復に結び着いたのは間違いないようだ。  2桁勝利を上げた先発投手がホームランのタイトル争いを繰り広げ、一方はシーズン60本以上を放っている。このヒーロー漫画のような活躍が「現実の世界」で繰り広げられているのだから、視聴者数が増えるのも当然だろう。 「今季もワールドシリーズで、2人の対決が再現されるのを楽しみにしているファンも多いですが、実は来年3月のWBC大会で、投手・大谷とジャッジの対決に期待する声も多く聞かれているのです」(現地記者)  アメリカ代表チームは4月時点で、前回大会に続いてマーク・デローサ氏(50)が監督を務めることと、ジャッジを主将に選んだことを発表している。WBC大会におけるアメリカ代表チームと言うと、「主力選手を出さない」「球団オーナーが非協力的」の印象もあるが、近年はそうではないという。 「なにより、選手の気持ちが変わりました。22年のサッカー・ワールドカップを観て、『世界一』の称号を争う大会への羨望、祖国を背負って試合をすることへの憧れが芽生えたようです。WBC大会を統括するWBCインクも前回大会で元エンゼルスの幹部を招き、チーム編成にあたらせました。エンゼルスのマイク・トラウト(33)が主将を買って出たのは元幹部への恩返しからです。26年大会に向けて、複数の球団を渡り歩いた編成経験者がWBCインク入りしており、彼らがネットワークを駆使してトップクラスの選手を派遣するため、交渉を続けています。ドジャースの三塁コーチャーを務めるディノ・エベルコーチが2大会連続でベンチ入りすることも決まりました」(前出・米国人ライター) ドリームチームで参戦となるか…  前回大会で、大谷がトラウトを三振に切って終わった“ラストシーン”を指して、「映画のワンシーンのようだった」と話す選手も多く、「自分も出たい」という声も聞かれるようになったという。  そして、ふた言目に出るのが「ジャッジと一緒に」「大谷と対戦したい」という“出場意欲”。キャンプシーズンに真剣勝負をさせることに批判的なオーナーも一定数いるそうだが、選手の「世界」に対する羨望を抑えられなくなってきたそうだ。 「昨季の新人王だったパイレーツのポール・スキーンズ(23)、最多勝やサイ・ヤング賞のタイトルを獲得したタイガースのタリク・スクーバル(28)、21年最多奪三振王のフィリーズ、ザック・ウィーラー(35)、パドレスのマイケル・キング(30)などの有名投手たちが『出場したい』と明言しています。アメリカ代表はかなりの豪華メンバーになりそう」(前出・現地記者)  連覇を目指す侍ジャパンは、アメリカ代表ほど具体的なチーム編成の話は出ていないが、大谷に主将を務めさせる案も出ているそうだ。  大谷の投手復帰は順調に進んでおり、打者としても7月1日のホワイトソックス戦で30号アーチを放つなど絶好調だ。“異次元の活躍”がメジャーリーグを本気にさせてしまったようである。 デイリー新潮編集部

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