デザインも価格も魅力的!新型プジョー3008の押しポイントとは?【キーマンたちにインタビュー】

初めて買ったクルマは306XSiのMT ステランティス・ジャパンは7月2日、新型プジョー3008の発売を開始。同日に都内で発表会を開催し、その後、ラウンドテーブルが行われた。まず登場したのは、ステランティス・ジャパン代表取締役社長成田仁さんと、同社でプジョー・ブランドを統括する小川隼平さんである。 【画像】8年ぶりのフルモデルチェンジ!新型プジョー3008が日本発売開始 全163枚 成田さんは発表会で、1998年に初めて買ったクルマがプジョー306XSiのMTであることを明かし、その後、306ブレークも所有。特別な思い入れがあることを語っていたが、ステランティス・ジャパンは8ブランドを抱えており、成田さんの発言は1ブランドに偏らない姿勢がはっきりしていた。 左から成田社長、ハバーニさん、小川さん。カメラマンの要望でライオンポーズ。 山田真人 ステランティスの強みを成田さんは、マルチエネルギーで市場や時代などに合わせてフレキシブルに選べる点だとしたうえで、現在はハイブリッドが主力だと分析。今後BEVも増えていく可能性があり、対応できるよう整えていきたいとした。 また、ステランティス・ジャパン全体の傾向として、7割が新規オーナー、3割が既納オーナーであり、これまではプロダクトポートフォリオに穴が空きがちだったと見ている。しかしそれも段々と補完され、現在プジョーは代替需要にも応えることができる状態になったとしている。 日本市場で、プジョー販売の20%を期待 一方の小川さんは、前職でもフランス車を担当されたプロフェッショナルだ。 新型3008は日本市場で、プジョー販売の20%を期待しているという。年間8000台とすれば、2000台ほどだ。ちなみに、日本自動車輸入組合(JAIA)の新車登録台数を見ると、ここ10年でプジョーが一番多かったのは2021年の1万2072台だから、現実性のある台数だろう。 ラウンドテーブルに参加した左から右から成田社長、小川さん。 山田真人 また、新型3008のメインターゲットは2名で使用することが多い子離れ世代となる。成田さんの分析にもあったように7割が新規顧客だから、ライバルは国産車、輸入車を問わず、CセグメントSUV全般となる。プジョーではミニバンのリフターも販売好調で、2本柱になることが期待されていて、クラスだけで見ていくと、フォルクスワーゲン・ティグアンなどあたりがメインの競合となりそうだ。 ただ、ティグアンあたりとは客層が明らかに異なりそうで、小川さんもマーケティング活動はマスだと明言。あらゆる分野にデザインで選ぶ層がいるため、活動の難しさを感じているが、圧倒的な外観の個性、ずっと走りたくなる乗り味、テクノロジーなどをアピールしてファンを増やしていきたいと述べた。 ちなみに、ボディサイズが大きくなったことへのコメントを求めた筆者に対し小川さんは、もちろん競合は考えているが、数値だけでは語れない軽快さ、取り回しのよさを強調。プジョーのアジリティ、つまり敏捷性は変わらないと述べている。 「一番効率のいい回生ができる」 続いて行われたラウンドテーブルには、フランスから来日したプジョー電動パワートレインシステムデザインエキスパートのリドゥアン・ハバーニさんが小川さんと共に登場。ご担当はプジョーのパワートレインだ。 まずハバーニさんは、今回日本に導入されたマイルドハイブリッドに関して「一番効率のいい回生ができる」と自信を見せている。 フランスから来日したプジョー電動パワートレインシステムデザインエキスパートのリドゥアン・ハバーニさん。 山田真人 同じシステムはグループ内で共有するが、「それぞれのセグメントで違ったビヘイビア(立ち振る舞い)があります。ハードは同じですが、制御は違います。判断している人も違いますし、マーケットによる違いもあります」と単純に共有してはいないと強調。日本側からは燃費基準のリクエストがあり、実現したとのことだ。 筆者が質問したのは、今回のマイルドハイブリッドで、ドライビングプレジャーをどのように表現するかであった。 ハバーニさんは「いい質問ですね」と笑顔を浮かべ、まず最大トルク発生時に6速デュアルクラッチのトランスミッションからノイズが出ないようにしたとコメント。他にもアクセルペダルに対する反応時間、加速量、フィーリングなど、要件やポイントは複合的にあるとのことだった。 また、他の質問者へのコメントで欧州と日本の顧客の違いについて、欧州はドライバビリティを諦めておらず、例えばハイブリッドにしたことで発生するノイズなどがあると選ばれないとコメント。一方の日本は小さなエンジンに慣れているためハイブリッドが好まれ、多少の妥協は受け入れる傾向があるという個人的な見解を示した。 それに対し小川さんは、そういったドライバビリティが、プジョーを日本で押し出す理由になると、逆にアドバンテージを感じているそう。また、ラウンドテーブルの最後に、新型3008はプジョーの柱となるモデルであり、日本市場において重要なクルマだと締めくくった。 こうして見て聞いてみると、新型3008が成功するか否かで、プジョーのブランド全体に大きな影響を及ぼすことが伝わってくるが、デザインもパワートレインも、そして価格も魅力的と筆者は感じている。どうやら、元オーナーとフランス車のプロフェッショナルが率いる日本のプジョーからは、しばらく目が離せないようだ。

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