仏・パリで開催された「JAPAN EXPO」にて、7月4日、スタジオカラーの新作短編アニメーション、安野モヨコによる漫画作品『シュガシュガルーン』連載20周年記念短編映像『SUGAR SUGAR RUNE Les deux sorcieres』(シュガシュガルーン レ・ドゥー・ソルシエール)の発表イベントが行われた。会場となったYUZUステージには、世界中のアニメファン約1500人が集まり、新作短編映像ワールドプレミアの瞬間を見届けた。 【動画】『シュガシュガルーン』連載20周年記念短編映像『SUGAR SUGAR RUNE Les deux sorcieres』 ステージには、MCの呼びかけとともに、スタジオカラー所属の監督・松井祐亮とアニメーションプロデューサー・藤原滉平が登壇。シークレット上映となった短編上映後、驚きと興奮に包まれた拍手喝采となった観客に見守られる中、松井・藤原の2人から発表された新作短編アニメーションは、安野モヨコによる漫画作品『シュガシュガルーン』連載20周年記念短編映像『SUGAR SUGAR RUNE Les deux sorcieres』であると発表した。 『シュガシュガルーン』は、2003年から2007年に少女漫画雑誌「なかよし」(講談社)で連載された安野モヨコのマジカル・ラブ・ファンタジー漫画作品。物語は、魔界の次期クイーンを決めるため、小さな魔女のショコラとバニラが人間界に下りたち、人間の恋するハートをめぐって勝負を繰り広げる、ラブあり冒険あり感動ありの正統派少女ファンタジー。2人の友情や恋のゆくえ、魔女ならではのキュートな世界観がとても魅力的な作品で、2005年に第29回講談社漫画賞児童部門を受賞。ティーンの女性を中心に絶大な人気を集め、コミックスは、フランスをはじめとするヨーロッパ各国や韓国でも翻訳化され、世界中で楽しまれている。 短編映像『SUGAR SUGAR RUNE Les deux sorcieres』は、原作者・安野モヨコ監修による、アニメーション独自のオリジナルストーリー。 育った環境も性格も違うけれど仲良しのショコラとバニラの住む魔界は今、王国祭の真っ最中。ショコラとバニラは、女王キャンディより次の女王候補として人間界行きを命じられ、ふたりは人間界へ行く為に魔界を巡り、試練を乗り越えるために奮闘する。 この作品は、ショコラとバニラがさまざまな試練を経て成長し、またお互いの友情を再確認する過程をロードムービーとして描いた原作漫画の前日譚(たん)となる。 本イベントは短編映像上映後、監督の松井とアニメーションプロデューサーの藤原が再登壇し、作品に込めた思いや制作エピソードが語られた。松井は「原作では描かれていない人間界への旅立ちを前日譚(たん)として想像を膨らまして描いた」と語り、キャラクターの背景に至るまで、原作者である安野モヨコと何度も意見を交わしながら作り込んだ制作過程を明かした。 一方、藤原は「この作品を通して、スタジオカラーの新しい才能をみていただきたい」と述べ、作品の手応えを語った。 イベント中盤では、原作である『シュガシュガルーン』についても紹介。フランスを含め、全世界で展開中であることも明かされた。 あわせて、安野モヨコの作品群や、スタジオジブリ発行の小冊子『熱風』の表紙、和装ブランド「百葉堂」など、ジャンルを越えて活躍する同氏の魅力も紹介。 終盤にはさらなる驚きの発表が。スクリーンに映し出されたのは、「『シュガシュガルーン』本編アニメーション製作決定」の文字。会場からは歓声と拍手が巻き起こり、MCから松井へ感想を問われると、「CGアニメだからこその造形の良さがあるので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。よろしくお願いします」と笑顔で応えた。 最後に松井と藤原からそれぞれ感謝のあいさつが述べられ、イベントは興奮の中、幕を閉じた。 なお、イベントの模様はYouTubeチャンネルにて配信中。