7日、山田裕貴さん、平一紘監督が、映画『木の上の軍隊』で、外国特派員協会の会見に登壇しました。 【写真を見る】【山田裕貴】撮影で食べた衝撃的なものを告白「僕がどこまで本物に近づけるか？勝負のようなもの」 役に込めた思いと平和への願いを熱く語る 本作は、1945年の沖縄県伊江島で、終戦を知らずに2年間ガジュマルの木の上で生き抜いた、2人の日本兵の実話に基づく物語。作家・井上ひさしさんが衝撃の実話から着想して原案を遺し、こまつ座にて上演されてきた舞台作品を映画化したものです。 山田さんは”初めまして「木の上の軍隊」安慶名(アゲナ)セイジュン役を演じました山田裕貴です。このような世界に発信できる機会をいただき、心より感謝します ”と、流ちょうな英語であいさつ。”ここからは日本語です”と、お茶目な笑顔を見せると、会場から笑いが起こりました。 続けて、”この作品は誰が味方で、誰が敵か？と、そのような戦争映画ではありません。誰もが望む平和な未来。これは、どの国にいようと、きっと一緒だと信じています。その中で、戦争で戦った偉業よりも、苦難に巻き込まれた時の人間の弱さや、滑稽さが面白おかしく描かれています” と語り、”生きていること、生きようとしていることが、何よりも大事だと。そんな祈りのような作品です。この祈りがどうかたくさんの人々に広がっていくこと、そして日本の芸術・作品たちが、世界の人たちに愛されますよう”と、挨拶しました。 役作りについて聞かれると、”当たり前のことを言えば、物が食べられない、水が飲めないという中で、じゃあ体重を落としていくというのは当たり前として、その他に考えることとしては、この演じる瞬間、何を思っているのだろう？と「レディー、アクション」まで考え続けるってこと、それしか僕たちには出来ない”と回答。司会から、”素晴らしかったです”と、称賛されると、山田さんは”Thank you”と、感謝を述べ、照れ笑いを浮かべました。 若者へ、メッセージを求められた山田さんは”安慶名に込めた思いは、まずは平和の祈り。皆さんが「家に帰りたい」「ご飯を食べたい」「海を見たい」…そう思うのと一緒で、安慶名もただ家に帰りたい、お母さんに会いたい…それだけで幸せという、まずそこを思い返してもらいたいと、心を込めました ”と、心情を明かしました。 山田さんは、モデルとなった佐次田秀順さんの思いにどこまで近づけるのか？と思ったとき、「考え続けること」と、出来るだけ「本物を味わうこと」だと思ったそうで、”僕は虫が大っ嫌いなんですけど、ハエが飛んでいようが、木の上にいれば気にならなくなったんです”と前置きし、”「ウジ虫」を食べるシーンで、監督にお願いしてウジ虫を食べました”と、衝撃的な告白。 ”でも、これはウジ虫を食べたことがすごいんじゃなくて、僕がどこまで本物に近づけるか？勝負のようなもの。だから、本当にウジ虫を食べたし、噛んで飲み込んだし、その時味わった感覚とか、でもお腹が空いていたら「おいしい」と感じるんだろうか？そういうことを自分の身に感じていくのが、そこが一番大事だと思いました”と、語りました。 そして、”今後、もしかしたら平和なままじゃないかもしれない。今も平和じゃないと思っています。SNSで誰かを攻撃したり、世界でもそういうことが目立ってきていると思います。それは、僕の中では、もう平和ではない”とヒートアップし、”だけど、もっと悲惨な銃やミサイルを使った悲惨な戦争に対して思うことは、本当にあってほしくないし、ただみんなが幸せに、ご飯が食べられたり家があること、これが一番大事なこと。子どもたちにも伝えられる映画になっているので、世界の人たちにも力を貸していただいて、これは「日本の話」ということで無く、「人間の心」の話なので、それは大人たちだけでなく、世界の子どもたち伝わってほしいと思っています ”と、熱弁。”ちょっと長かったかな？”とこぼすと、会場からは、” ワーオ、ワーオ、ワーオ ”の称賛とともに、拍手が沸き起こりました。 【担当：芸能情報ステーション】