学歴詐称疑惑を巡り、静岡・伊東市の田久保真紀市長が7日夜会見を開き辞職を表明。その上で、出直し選挙に立候補することを明かしました。議長らに“チラ見せ”した卒業証書なるものは、会見の中で結局公開しませんでした。 8日朝の伊東市役所。会議室には幹部職員たちが集まっていましが…。 (伊東市職員) Q.市長いらっしゃった? 「いない」 Q.会議できなかった? 「そうですね」 田久保市長は午前10時の会議開始時間までに登庁せず…市役所に姿をみせたのは、その2時間後の正午前でした。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「すいません、ちょっと高齢の母が心労で倒れまして。ちょっと私も母子家庭なものですから。代わりに面倒見てくれる人が到着するまでご連絡差し上げて。家の方で一人にできないものですから、待機していてすいません。こんな風に遅刻して来るなという感じですが」 8日朝は、これ以上報道陣の問いかけに答えることはありませんでした。 7日夜、弁護士同席のもと会見を開いた田久保市長。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「このたびは、私の学歴に関する問題で、たくさんの市民、関係者の方々、みなさまにご迷惑をおかけしました。そのことにつきまして、まずは改めまして深くおわびを申し上げたい。このように思っています。本当に申し訳ございませんでした」 約10秒間にわたり、頭を下げ…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「私は、地検の方に上申したのち、必要な手続きを終えたら、速やかに辞職をしたいと考えいている」 今後、2週間以内にも辞職することを表明したのでした。 市の広報誌にも記載されていた“東洋大学法学部卒業”という学歴について、「卒業ではなく除籍」だったことが判明した田久保市長。 学歴詐称疑惑が浮上したきっかけは、匿名の“投書”でした。 (投書の内容) 『東洋大学卒ってなんだ。彼女は中退どころか私は除籍であったと記憶している』 疑惑を払拭するため、田久保市長は市議会の議長らに卒業証書を確認してもらったといいますが…。 (伊東市議会 青木 敬博 副議長) 「最初市長が『これが証書とアルバムです』って持ってきてパッと開いて閉じられちゃったから、議長が『いやいやいや』と言ってもう1回パッと開いて、また閉じられた」 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「自分が見えたのは『法学部 田久保真紀』っていう名前だけは見えたけど」 (伊東市議会 青木 敬博 副議長) 「本当に、その瞬間は一瞬信じちゃったんですよ。本物のデザイン見た時に、一瞬で『あっ違う』と思った」 7日夜、この“チラ見せ卒業証書”について市長は…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「この卒業証書については、卒業アルバム、そして、在籍期間証明書、そして、私の上申書とともに、静岡地方検察庁に提出することにした。卒業証書の方は、検察で捜査の対象として調べていただく。よって、調査の結果は、検察の捜査にすべてお任せしたいと思っています」 7日、伊東市の市民が公職選挙法違反の疑いで刑事告発したことから、卒業証書は刑事事件で取り調べられる可能性のある証拠だと主張。結局、田久保市長が、卒業証書を見せることはありませんでした。 (伊東市 田久保 真紀 市長) Q.卒業証書とみられるもの本物だと胸を張って言えるのか? 「私の中では、本物だと思っているが、大変残念ながら、私の方で、それを、今、本物だと証明するための卒業証明書等が取れないので、こうなった以上は、きちんとした捜査機関に調べてもらって、その結果を待ちたいと思う」 一方で、入手経路を問われると…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「前回の会見でも話したが、だいぶ前の30年前のことというのもあるが。正直に申し上げて、それをどのように手にしたのか、郵送で送られてきたのか、学校に取りに行ったのか、誰か友達と取りに行ったのかというのは記憶が曖昧なので。私自体どのように市民のみなさまにこれが本当に本物なのか、もしかして偽物であるといわれているのは承知している」 7日の市議会でも、この問題に厳しい意見が飛び交いました。 (伊東市議) 「事実確認に訪れた議長・副議長・秘書広報課に卒業証書らしき文書の“チラ見せ”を行い、ご自身の疑惑をごまかすような行為をしたこと、とても残念でならない」 そして、「辞職勧告」と強い調査権限を持つ、「百条委員会設置」の決議案が全会一致で可決する事態となりました。 このタイミングで辞職を決断した理由を、市民の声や、議会の結果も重く受け止めたと話した田久保市長。 ただ、辞職した後には…。 (伊東市 田久保 真紀 市長) 「一度そういった形できちんと辞職をして、自分の進退決めたのちに、改めて市民の判断仰ぐために、私は再度、市長選挙の方に立候補したいと考えている」 出直し市長選に立候補すると表明したのでした。 7日夜の会見を、伊東市民はどう見たのでしょうか…? (伊東市民) 「なんか釈然としない感じがする。結局、卒業証書については、本物かどうか分からないままだった、市民が分からないまま検察に持って行かれるというので、余計に市に対する不信感が…」 (伊東市民) 「(田久保市長は)誠実さが欠けていた。うそついているみたいな、そういうところはまずいと思う。もう一回、田久保市長も(選挙に)出るって言ってるから、はっきり分かるんじゃない?」 (伊東市民) 「あれでまた立候補するっていうのも、私からするとまずいんじゃないかと思うけど」 Q.短期間で選挙をやり直すというのは市民からしてどう? 「余分なお金を使っている」