日本労働弁護団が、参議院選挙を前に、労働政策について政党アンケートを行ったところ、長時間労働を防ぐため、残業時間の規制を強化するべきと答えたのは野党6党で、自民党、公明党は改正に後ろ向きだったということです。 日本労働弁護団によりますと、労働政策についてのアンケートへの回答があったのは8党で、参政党と保守党からは回答がなかったということです。主な質問と回答は以下です。 ■時間外労働について 【質問】「長時間労働の防止、削減のために、時間外労働の上限時間の規制を強化することに賛成ですか？（注:現在の上限は、原則として月45時間、かつ年間360時間。労使の36協定によっても超えることができない上限として月100時間未満、2〜6か月平均80時間以下。） 賛成）立憲民主党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、日本維新の会、社民党 反対）公明党 その他）自民党（的確な監督指導等の実施） ■インターバル制度 【質問】勤務終了から次の始業まで一定時間以上の休息時間を設けるインターバル制度の導入を、現在の努力義務ではなく、事業主の義務とすることに賛成ですか？ 賛成）立憲民主党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、日本維新の会、社民党 その他）自民党（努力義務のもと、制度導入を促進）公明党（更なる導入促進のため、手法について幅広い検討が必要） ■高度プロフェッショナル制度 高度プロフェッショナル制度とは、高度の専門的知識があり、一定の年俸要件などを満たす労働者について、始業・終業時刻の指定をせず、労働基準法が定める労働時間、休日などの規定の対象外とする制度。 【質問】「高度プロフェッショナル制度」は対象労働者の長時間労働の実態もうかがわれるところである。この制度を廃止することに賛成ですか？ 賛成）立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党。国民民主党は条件付き賛成 反対）自民党、公明党、日本維新の会（導入要件を緩和して利用しやすくすべき） こうした結果について日本労働弁護団は、「多くの労働政策への考えは野党と与党で違う。選挙結果によっては、いくつかの法律、政策が実現すると考える。」と述べる一方で、「ワークルール教育推進法の制定については、野党は賛成で、自民党、公明党も反対はしていない。」として、学生の段階から労働者の権利などについて学ぶことについては進めていけるのでは、と期待を示しました。