二軍落ち「田中将大」が3試合で「27被安打13失点」の大炎上…巨人OBの元技巧派投手は「嫌な投手」から「打ちやすい投手」になっていると指摘

 巨人の投手・田中将大は7月8日現在、日本プロ野球で120勝、メジャーで78勝、合計198勝という記録の持ち主だ。記念すべき通算200勝が迫っている状態だが、XなどのSNSでは「田中は引退したほうがいいのでは」という投稿が目立つ。4月3日の対中日戦に勝利して198勝目を達成したものの、同月18日の対DeNA戦では2回6失点でKO。2軍での調整登板を経て、5月1日の対広島戦に先発するも3回3失点で降板。今度は本物の2軍落ちが決まった。  *** 【写真】楽天退団について相談したとマー君が明かした元アイドル妻。41歳には見えない溌溂とした笑顔がチャーミングだ  ところが、さらに意外な結果が田中を待っていた。2軍の打者にもメッタ打ちされているのだ。6月25日の対DeNA戦では4回を14被安打6失点、7月2日の対ヤクルト戦は5回を8被安打4失点という散々な結果に終わった。 200勝までの“あと2勝”が遠いマー君  7月9日の対西武戦も初回に2ランを浴びるなどして3失点。その後は立ち直ったとはいえ、ネット上では「2軍相手に厳しい内容」、「1軍のマウンドは遠い」という意見が目立った。担当記者が言う。 「かつて田中投手はヤンキースのエースだったのですから、『まさか2軍の打者にピッチングが通用しないのか!?』と野球ファンから驚きの声が上がっているのは当然でしょう。とは言え、田中投手は1988年11月生まれで36歳になりました。ファンがSNSに『200勝にこだわる気持ちは理解できるが、やはり年齢には勝てない』と投稿するだけでなく、一部のスポーツメディアも田中投手の限界説を報じる事態に発展しています」  野球解説者の前田幸長氏はロッテ、中日、巨人、そしてアメリカ・マイナーリーグの3Aオクラホマの4球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。  特に巨人に入団したのはプロ14年目の31歳。それから6シーズン、37歳になるまで巨人の1軍投手としてマウンドで投げ続けた。ベテラン投手の体も心理も実体験として知り尽くす前田氏は、田中の不調について「僕は年齢が原因ではないと考えています」と言う。 “打ちやすい投手”になった田中 「本人は今シーズン、1軍で5勝はできると計算していたのではないでしょうか。それは正しい予想で、田中投手の実力を考えれば充分に達成可能な勝ち星だと思います。ボールのスピードもキレもコントロールも決して悪くありません。データだけを見れば、田中投手の投球内容は依然として素晴らしいのです。にもかかわらず、田中投手は2軍の打者からメッタ打ちにされています。その理由は、以前の田中投手は打者にとっては打ちにくい、嫌なタイプの投手だったのに、今は比較的、打ちやすい投手になっているからなのです」  田中が全盛期だった時のフォームを思い出してほしい。比較的ゆったりとした動きで投球動作が始まるのだが、腕の振りは非常に早いことが印象的だったはずだ。 「投手の実力を示すデータには、球速、球の回転数、コントロールといったものがあります。しかし、こうしたデータでは表し得ない投手と打者の駆け引きという世界も重要です。田中投手が好調だった時のフォームは、腕の振りだけが非常に早いので打者には間が取りにくく、打ちにくかったのです。ゆったりとした動作から、突然という感じで球を投げ込むので、打者にとっては差し込まれる感覚が強かったはずです」(同・前田氏) 投球フォームの見直しが必要  差し込まれた球に食らいつき、何とかバットを振ってもボテボテの内野ゴロになるのが精一杯。田中にとっては簡単に1アウトを取ることができた。  前田氏が注目するのは、田中の腕の振りだ。巨人に入団してから腕の振りが遅くなってしまっているという。 「今の田中投手は、ゆっくりとした投球動作から、同じようなテンポで腕が振られています。これで打者には間が取りやすくなりました。球が差し込んでくる感覚が消え、素直な球に見えているはずです。こうなると2軍の打者であっても最悪、ファウルで逃げることが可能になります。そこで田中投手は相手打者を打ち取ろうと、どうしてもストライクを取りに行かざるを得なくなります。そして甘く入ったところを痛打される、というのが対DeNA戦と対ヤクルト戦で起きたことでしょう」(同・前田氏)  引退を決意しなければならないほどの年齢ではない。だが、若い時と同じように体を動かすことはできない。前田氏は「田中投手は加齢の悪影響を冷静に分析し、フォームのメカニズムを見つめ直す必要があります」と言う。 間違った改善法か 「僕もロッテ時代は若さに任せて投げるだけでした。それが25歳で中日に入団すると、星野仙一監督の指導で変化球に磨きを掛けました。全ての持ち球で、しっかりストライクを取れるようにしたのです。次に31歳で巨人に入ると、低めのコントロールを改善して投手生命を伸ばしました。田中投手もベテランとしての経験を活かし、体の動かし方を36歳という年齢にフィットしたものに改善する。そうすれば再び打者にとって打ちにくい、嫌な投手となり、見事に復活を成し遂げるでしょう。ただ僕の印象ですが、今の田中投手はコントロールの改善に力を注いでいるように見えます。田中投手が打たれている原因はコントロールではなく、腕の振りといった“間”の問題だと考えているのは説明した通りです。田中投手が間違った改善法に突き進んでいないか、心配しているというのが率直なところです」(同・前田氏) デイリー新潮編集部

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