ふるさと納税の仲介サイトを運営する楽天グループは１０日、独自のポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付を禁止する総務省の新ルールの無効確認を求める行政訴訟を、東京地裁に起こした。 新ルールは今年１０月から適用が予定されている。 ふるさと納税制度を巡っては、「楽天ふるさと納税」「さとふる」などの大手の仲介サイトの間で、利用者の獲得に向け、自治体への寄付額に応じて買い物や商品との交換に利用できるポイントを付与する動きが広がっていた。 総務省は昨年６月、自治体が仲介サイトの運営会社に支払う手数料の一部がポイントの原資になっている可能性が高いとして、ポイントの付与を事実上禁止する新ルールの導入を決めた。自治体の収入を増やす狙いがあった。 楽天は１０日に開いた記者会見で、新ルールは仲介サイトの運営方法を過剰に規制する内容と指摘。国会での議論を踏まえた法令改正でもないとして「総務相の裁量権を逸脱しており無効だ」と主張した。 楽天はこれまで、ポイントの原資は自社で負担していると説明してきた。今年３月には、三木谷浩史会長兼社長が新ルールに反対する約２９５万人分の署名を石破首相に提出。総務省側と交渉を進めてきたが、方針が撤回されないため提訴に踏み切ったとしている。 制度を所管する総務省の市町村税課は、「現時点で訴状が届いていないため、届き次第内容を精査して対応したい」としている。
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