【ワシントン＝淵上隆悠】米ニュースサイト・アクシオスは１５日、複数の関係者の話として、米英独仏の外相が１４日の電話会談で、イランの核開発を巡る協議の合意期限を８月末とすることで一致したと報じた。 進展がない場合、英独仏は国連安全保障理事会の対イラン制裁の復活に動く構えで、制裁をちらつかせて圧力をかける狙いとみられる。 安保理による過去の対イラン制裁は、米英仏独中露とイランが２０１５年に結んだ核合意の規定により、参加国がイランの合意違反を安保理に通告すれば再発動できる。ただし、「スナップバック」と呼ばれるこの仕組みは、合意発効から１０年となる１０月に期限を迎えるため、英独仏が対応検討を本格化している。米国は１８年に合意から離脱し、２０年に手続き開始を試みたが認められなかった。 米国は４月にイランとの核協議を始めたが、６月にイスラエルがイランを攻撃したことで中断。米国も自らイランの核施設を攻撃したことで事態はさらに複雑化し、再開のめどは立っていない。英仏独と欧州連合（ＥＵ）もイランに核開発放棄を直接働きかけているが足踏みが続いている。 アクシオスによると、欧州側はイランに対し、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）の監視受け入れ再開といった「国際社会の懸念を解消する措置」を取ることで制裁復活は回避できると伝える方針だ。
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