シボレー・コルベット、今後もV8を搭載 EVは「サイエンスフィクションだ」と開発者

規制を満たすためだけのクルマは作らない シボレー・コルベットは今後もV8エンジンを搭載し続けると、開発責任者が語った。親会社であるゼネラルモーターズ(GM)は、「規制を満たすためだけに」EVを作るつもりはないという。 【画像】守り続けてきた「V8」スポーツカーの伝統【シボレー・コルベットZ06を詳しく見る】 全20枚 欧州向けのコルベットは、GMにとって4年ぶりの市場復帰を象徴するモデルとして、2021年に導入された。現在ラインナップには、サーキット志向のZ06とV8ハイブリッドモデルのE-Rayなどがあり、今後1年間でキャデラックの電動SUVであるオプティックとリリックも追加される予定だ。 シボレー・コルベットZ06 しかし、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでAUTOCARの取材に応じたGMのチーフパフォーマンスカーエンジニア、トニー・ローマ氏は、EV化の未来を見据えているものの、コルベットEVの計画は正式にはまだ策定されていないと述べた。「十分な性能を備えたクルマを作るために何が必要かについては話し合っていますが、現時点ではまだサイエンスフィクションの域を出ません」 GMは最近、未来的なコルベットのEVコンセプトを公開したばかりだが、市販導入の計画はまだ具体的ではないようだ。 コルベットは引き続き、自然吸気(規制が許す限り限り)またはE-Rayのようにハイブリッド化したV8エンジンを使用し続けることになる。 コルベットの存在意義を否定することになる しかし、フェラーリやランボルギーニがプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレインを導入しているのに対し、コルベットPHEVの計画はないとローマ氏は言う。 「プラグインは、重量、コスト、複雑さの問題から、作る価値はないと思います」 シボレー・コルベットのEVコンセプト シボレー 「そこで、E-Rayでは、ある意味逆のアプローチを採用しました。特定のメーカーを非難するつもりはありませんが、評価を見てみると、一部の競合他社には、走行モードや充電モードの選択など、操作が面倒だという批判を受けているところもあります」 「しかし、E-Rayを運転するときは、エンジンをかけて走るだけです。単なるハイブリッドです。バッテリーの充電もすべて自動で行われます。バッテリーを早く充電したい場合は、そのためのボタンがあります。基本的にはそれだけで、シンプルで使いやすいようにしています」 ローマ氏はまた、「規制当局から何らかの補助金」が与えられれば、「PHEVの採用を検討する」と付け加えた。 将来的に、EVのコルベットを作ることになった暁には、単に速いだけでなく「魅力的」でなければならないとした。例えば、0-100km/h加速タイムは「あらゆるクルマが信じられないほど速く」、もはや「意味のない指標」になっているという。 近い将来、ユーザーが「非常に速い(電動)セダン」を毎日運転するようになれば、「何か違うもの」を求め始めるため、シボレーはどのように他と差別化するかを検討する必要がある。 ローマ氏は、「それがわたし達の課題です。何か違う、魅力的なものを考え出すことです」と述べた。 「なぜ、コルベットのようなクルマを購入するのでしょうか? 何か特別なものを求めているからです。運転という芸術に没頭したいから購入するのです」 「その方法を見つけ、電動化が進めば、EVも発売するでしょう。しかし、ただEVを作るためだけに、このクルマのEV版を作るつもりはありません。それは、このクルマの存在意義を否定することになるからです」 断固とした姿勢貫くシボレー ローマ氏はまた、2035年以降も欧州での販売を続けるためだけに、EV版コルベットの開発を急ぐつもりはないと述べた。「その規制を満たすためだけにクルマを作るつもりはありません」 2035年からは、欧州連合(EU)および英国で販売されるすべての新車は、走行時の排出ガスをゼロにしなければならない。つまり、実質的にEVのみが認められることになる。同地域での販売を継続するには、コルベットのEVを投入しなければならない。 シボレー・コルベットE-Ray AUTOCAR 「70年以上の歴史にふさわしくないEVに、コルベットのバッジをつけるつもりはありません。誰もそんなものは望んでいません。申し訳ありませんが、その点については断固として譲りません。バッジは人々にとって意味のあるものだからです」 ローマ氏はインタビューの中で、EV版コルベットの開発を急がない主な理由として、コルベットは世界戦略車であり、すべての市場にアピールする必要があると説明した。 その実現には何が必要かとの質問に対して、同氏は「電動化コンポーネントのパワーウェイトレシオ、コスト、航続距離など、わたし達が価値あると考えるクルマを作るために必要なすべての条件をクリアしなければなりません。それが実現できるかどうかはわかりませんし、実現できたとしても、非常に高額になるでしょう」と答えた。 「EVが現在のクルマよりも優れたものになれば、EVを作ります。それまでは、現在行っていることを続けていきます」 「その段階に到達するためにわたし達が考えなければならないのは、EVに、消費者が惹きつけられるような直感的なつながりや個性をどのように与えるかということです」 「率直に言って、わたしはこれまで多くの優れたEVを運転してきましたが、そのほとんどは感情的なつながりを感じさせず、コンピューターがほとんどの作業をこなしてしまいます。しかし、土曜日の朝にドライブに行きたいと思ったとき、わたしは(エンジンを)始動して、いろいろな音を聴きたいのです」

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