参院選・関東7選挙区を“ぎゅっと”まとめて解説——最新情勢や各候補の訴えは?

20日に迫った参院選の投開票。関東7選挙区からはどんな候補が立候補しているのか。また気になる最新情勢は?投票の参考になる情報を、政治部黒島秀佳 野党キャップがまとめて解説します。 (※詳しくは動画をご覧ください) ■首都決戦の行方は?全国最多32人が立候補・・・大激戦どうなる——東京選挙区 東京都は定数の6に、欠員補充の1を加えた7議席を、全国最多の32人が争います。 自民党の新人で、前スポーツ庁長官の鈴木大地候補は知名度をいかし、安定した戦いをしていることがうかがえます。 これに、公明党の新人で医師の川村雄大候補、参政党の新人で歌手のさや候補が続いています。 そして、立憲民主党の現職・塩村あやか候補、自民党の現職で前厚労大臣の武見敬三候補、共産党の現職・吉良佳子候補、国民民主党の新人で元NHKアナウンサーの牛田茉友候補、立憲民主党の現職で、歌手の奥村政佳候補、れいわ新選組の新人で元衆議院議員の山本譲司候補、日本維新の会の前政調会長の音喜多駿候補、国民民主党の新人で元会社員の奥村祥大候補、保守党の新人で元荒川区議の小坂英二候補が激しく競り合っています。 このほか、国民民主党から公認内定を取り消されたため、無所属で出馬している山尾志桜里候補、無所属の吉永藍候補、無所属の土居賢真候補、諸派の藤川広明候補、社民党の西美友加候補、チームみらいの峰島侑也候補、諸派の酒井智浩候補、諸派の福村康広候補、諸派の桑島康文候補、諸派の渋谷莉孔候補、再生の道の吉田綾候補、無所属の吉沢恵理候補、諸派の市川たけしま候補、無所属の平野雨龍候補、諸派の千葉均候補、無所属の増田昇候補、諸派の辻健太郎候補、諸派の早川幹夫候補、NHK党の石丸幸人候補、無所属の高橋健司候補が立候補しています。 ただ東京選挙区の調査では、40%の人が投票先を明らかにしておらず、情勢は今後変わる可能性もあります。 ■新勢力台頭で現職がピンチに?——神奈川選挙区 神奈川県は定数4の議席を、16人が争っています。 前回は自民、公明、立憲、維新が議席を取りましたが、今回は新勢力の出現により、現職もピンチを迎えています。 序盤の情勢分析で、リードしているのは現職で立憲民主党の牧山弘恵候補です。貧困対策などを重点政策に掲げています。 同じく先行するのが、自民党の新人・脇雅昭候補。神奈川県庁にも務めた経験をアピールしています。 先行する2人に続き競り合うのが国民民主党の新人・籠島彰宏候補、公明党の現職・佐々木さやか候補、参政党の新人・初鹿野裕樹候補です。 籠島候補はエネルギーや食料自給率の向上を、佐々木候補は物価高対策を、初鹿野候補は警察・自衛隊などの待遇改善を訴えています。 追い上げるのが、共産党の浅賀由香候補。教育予算の引き上げを訴えます。 続くれいわ新選組の三好諒候補は、元外務省職員で、「対米追従外交からの脱却」を掲げています。 追走するのは日本維新の会の千葉修平候補。社会保障の充実などを訴えます。 社民党の金子豊貴男候補は格差是正を、チームみらいの河合道雄候補は、子育て・教育政策を、NHK党の堀川圭輔候補は、デジタル化の推進を特に重視しています。 神奈川県ではこのほかに、諸派の綾久候補、無所属のみしまりえ候補、諸派の内海聡候補、畠山貴弘候補、佐久間吾一候補が立候補しています。 ■過去最多16人が立候補・・・自民の議席維持は?ギリギリの戦い——千葉選挙区 千葉県は定数3の議席をめぐり、過去最多の16人が立候補しています。 前回は自民党が2議席、立憲民主党が1議席を獲得していましたが、今回は自民党が2議席を維持できるのか微妙な情勢です。 序盤の情勢分析では現職で、参議院副議長を務める立憲の長浜博行候補がややリード、地球温暖化対策を重点政策としています。 その長浜さんに続くのが、元NHK記者で、子育て支援政策を訴える国民民主党の小林さやか候補です。 現職で、自民党参議院幹部の石井準一候補は国民の小林さんと激しく競り合っていて、自身の実績や実行力をアピールしています。 また、参政党の中谷めぐ候補は、食料安全保障を訴え、当選に向け一歩も譲らない戦いを続けています。 先行する候補者を猛追するのが、自民党現職の豊田俊郎候補。災害対策などを進めるとしています。 激しく追い上げるのが主婦で新人のれいわ新選組の山本なつみ候補。消費税廃止を強く訴えます。 共産党の白石ちよ候補は消費税の減税や賃上げを、日本維新の会の石塚貞通候補は社会保険料の引き下げを掲げています。また、チームみらいの小林修平候補は、デジタル化の推進を、NHK党の玉元弘次候補は、社会保険料の高騰を抑えるなどと訴えています。 千葉県ではこのほかに、無所属の大薄裕也候補、諸派の中野智彰候補、諸派の小笠原裕候補、諸派の橋本直久候補、諸派の江田良将候補、無所属の大塚京子候補が立候補しています。 ■15人が乱立・・・構図に“異変” 自民・公明の2議席守れる?——埼玉選挙区 埼玉県は定数4の議席をめぐり、15人の候補が乱立しています。 自民・公明の与党がこれまで手堅く2議席を守ってきましたが、今回はその構図に異変が起きています。 序盤の情勢分析で、乱戦の中一歩リードしているのが、自民党現職の古川俊治候補です。医師と弁護士の資格を持っており、与党としての実績を強調しています。 同じく一歩リードする現職・立憲民主党の熊谷裕人候補は、子育て・教育政策を重視し、2期目を狙います。 その現職に挑み、当選圏内へしのぎを削っているのが、国民民主党の江原久美子候補です。基礎控除額等の合計を178万円に引き上げると訴えています。 当選に向け、デッドヒートを繰り広げているのが、現職・公明党の矢倉克夫候補。財務副大臣を務めた実績などをアピールしています。 当落線上で激しく競い合う参政党の大津力候補は、日本人ファーストを強調しています。 それを追いかける現職・共産党の伊藤岳候補は、消費税5%への減税を、続くれいわ新選組の桜井奈々絵候補は介護崩壊を止めたいと訴えます。 また、日本維新の会の龍野真由美候補は社会保険料の引き下げを、社民党の高井環候補は単身女性やシングルマザーが抱える問題の解決を掲げています。 チームみらいの武藤かず子候補は、教育、子育て、科学技術を重点政策とし、NHK党の山田信一候補は、党の国政政党としての要件回復を目指すとしています。 埼玉県ではこのほか、諸派の津村大作候補、諸派の増山優花候補、無所属の斉藤嘉英候補、諸派の石浜哲信候補が立候補しています。 ■立憲と参政が野党の“指定席”めぐり激突——茨城選挙区 茨城選挙区は定数2の議席をめぐり、8人が争っています。 これまで自民党と旧民主党系の野党で1議席ずつ分け合ってきた茨城選挙区ですが、今回は野党の「指定席」をめぐって、立憲の現職と参政党の新人が激しく競い合う構図です。 序盤の情勢分析では、安定した戦いを見せている自民党の現職・上月良祐候補。茨城県の副知事や経産副大臣を務めた実績をアピールしています。 当選に向け激しく競り合うのが、立憲民主党の現職・小沼巧候補と参政党の新人・桜井祥子候補です。 立憲の小沼候補は元経産省職員で現在1期目の39歳。「格差や差別のない社会」の実現などを訴えています。 会社役員で新人の参政党・桜井候補は、消費税減税や、過度な移民流入に反対することなどを掲げています。 日本維新の会の北崎瀬里奈候補は、調理製菓の専門学校を卒業、社会保険料の引き下げなどを訴えています。 また、共産党の高橋誠一郎候補は格差の是正や貧困の解消を、NHK党の酒井明男候補は、「NHKのスクランブル放送の実現」を訴えています。 茨城県ではそのほかに、無所属の牧山康志候補、諸派の石井憲一郎候補が、立候補しています。 ■自民5連勝中も・・・議席守り抜けるか?——栃木選挙区 栃木県は定数1の議席をめぐり、6人の候補が争う情勢です。 自民党が5連勝中と、長く議席を守ってきた一人区ですが、今回はその議席を守り抜けるのか注目されています。 序盤の情勢分析では、立憲民主党の板津由華候補と自民党の高橋克法候補が激しく競り合っています。 立憲の板津候補は、元証券会社勤務、37歳の新人で、食料品の消費減税や農家への補償制度の導入を訴えています。 自民党の現職・高橋候補は、栃木県議などを経て国政へ、現在、国交副大臣を務めています。当選2回の実績を強調した上でコメ政策などの農政改革を訴えています。 参政党の大森紀明候補は、消費税減税や社会保険料の削減で、「手取りを10%増やす」としています。 共産党の福田道夫候補は、元日光市の市議です。消費税の減税や最低賃金をすみやかに時給1700円まで上げるなどの、賃上げを訴えています。 NHK党の高橋真佐子候補は、「NHKのスクランブル放送化」などを訴えています。 栃木県はこのほかに無所属の笠間信一郎候補が立候補しています。 ■“保守王国”で自民連勝となるのか——-群馬選挙区 群馬県は、定数1の議席をめぐり、7人が争う情勢です。 序盤の情勢分析で一歩リードしているのが、2期目を目指す自民党の現職・清水真人候補です。そこへ野党の新人6人が挑む構図になっています。清水候補は岸田政権では国交政務官も務めました。与党としての実績を強調して選挙戦に臨んでいます。 それを追いかけるのが、看護師で新人の参政党の青木ひとみ候補です。大幅な減税政策を訴えるとともに、「大企業や外国人を優遇する政策は終わり」と強調しています。 追い上げをはかる立憲民主党の河村正剛候補は、約30年前からやっていたという、子どもや生活困窮者への支援を進めるとしています。 共産党の高橋保候補は、消費税の減税とインボイスを廃止すること、NHK党の上楽宗之候補は、NHKの受信料制度と不法移民問題に対して取り組んでいくと訴えています。 群馬県は、このほかに、諸派の井田雅彦候補と、無所属の辛嶋美紀候補が立候補しています。

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