女子レスリング界のレジェンドが１８日、４４歳の若さで急逝した。 ２０１２年ロンドン五輪レスリング女子４８キロ級で金メダルを獲得した小原日登美さん。世界レスリング連合で殿堂入りを果たしたほか、現役引退後は後進の育成にも尽力するなど、その功績は計り知れない。 青森・八戸工大一高から中京女子大（現至学館大）を経て、自衛隊入り。五輪階級ではない５１キロ級で世界選手権の優勝を重ねた小原さんは、０８年北京五輪の代表選考で、妹の真喜子さんが戦ってきた４８キロ級ではなく、吉田沙保里さんが活躍していた５５キロ級に挑戦した。 出場を逃して一度は第一線を離れたが、夢を捨てきれず現役に復帰。妹から「私の階級で五輪に出てほしい」と４８キロ級を託されると、１０、１１年と世界選手権２連覇。ロンドン五輪では初出場で金メダルに輝いた。決勝では最後の第３ピリオドに２点を挙げ、逆転で勝利。昨年１月に母校の中学校で講演した際には、「あきらめずに好きなことを続ければ、夢はかなう」と生徒らに伝えた。 私生活では、元レスリング選手で自衛隊所属の小原康司さんと２０１０年に結婚。２８年ロサンゼルス五輪に向け、女子日本代表コーチとしての活躍が期待された中での悲報となった。（岡花拓也）
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