【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」

 昨年の10月7日、東京都千代田区の駐日イスラエル大使館前は騒然としていた。警察庁が極左暴力集団と銘打つ過激派集団「中核派」のデモが行われていたからだ。イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスが大規模な戦争を始めてちょうど1年となったこの日のデモの熱の入れようはいつも以上だった。これまでにも戦争に反対し、激高した中核派のメンバーが大使館前で逮捕されたケースもあり、対峙した警視庁機動隊と中核派150人の間では緊張感が高まっていた。 【写真】過激派集団「中核派」のデモに参加するバッチリとメイクをした謎の美人・ニノミヤさん(21) 「お前らがやっていることは虐殺への加担と一緒だよ!!」  怒号とともにヘルメットをかぶった中核派は左右のメンバーと腕を組み、鎖のように繋がった横列を作った。そのような横列を何重にも作った「スクラム」を組み、対峙する機動隊のほうへと各々が叫びながら向かっていく。その中に、バッチリとメイクをした謎の美人がいた──。 「警察庁や公安調査庁は中核派を、暴力革命によって共産主義社会の実現を目指している極左暴力集団と指定しており、『テロ』を起こす危険があるとみて調査や情報収集を続けています。中核派はかつては、火焔瓶などでゲリラ事件を起こしたり、内ゲバで多くの死者を出してきた経緯があるからです。  近年も、長年逃亡していたメンバーが捕まった事件もありました。あまり大きな報道はありませんが、メンバーの逮捕は相次いでいます。今年の6月にも、デモ行進中に機動隊員に暴行をした現行犯で、70代の男と20代の女が逮捕される事件もありました。中核派は学生も対象にした『全学連』を組織し、若年層の取り込みにも比較的うまくいっており、組織から国会議員を出すべく候補者を立てたりもしています。杉並区の洞口朋子区議は、組織から立候補して当選していますね」(公安関係者)  そしてこう続ける。 「組織がどのような状況にあるか、私たちは絶えず監視していますが2024年に入り、若くてキレイな女性が加わったんです。デモなどにいるととても目立ちます。彼女は匿名でXでも情報発信を行っている」(同)  洞口区議に加え、2024年9月には全学連初の女性委員長が誕生するなど、若い女性がメディアに露出し、主義主張を訴えている。しかし“謎の美女”は、これまで メディアなどには露出していないようだ。Xのアカウント名はまさに「マルクス主義」。取材依頼を送り、会ってみると記者の目の前に現れたのは21歳の女性・ニノミヤさん(仮称)だった。一見どこにでもいる雰囲気だが、なぜ彼女は極左暴力集団に足を踏み入れたのか。中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われる彼女の、壮絶な半生を取材した。【全4回の第1回】 なぜ「中核派」に? 幼少期を振り返る 「現在の日本社会で、若い女性は虐げられていると感じています。キレイでいなくてはならない。それを社会が強いているからです。だって、キレイだったら得しますよね? 容姿を武器にするアイドルはもちろん、営業の仕事だって、キレイに越したことはない。私は整形に400万円ほどかけています。でも、どんなにキレイになっても、上には上がいるし、お金はかかり続けるし、キリがない。多くの女性が私と同じような悩みを抱えているのではないでしょうか」 ──女性が生きづらい社会を変えたくて、中核派に飛び込んだということでしょうか。 「なんでここまでしないといけないんだろうってふと思ったのは、ひとつのきっかけかもしれません。こういった社会の根源的な問題を解決するものは政治しかありません。  しかし、既存の政党はどこもピンときませんでした。悩みを抱える私が生きている社会を生み出したのが既存政党ですからね。日本共産党も結局、資本主義の体制下でうわべの活動をしているだけです。そこで知ったのが、中核派と全学連でした」 ──ニノミヤさんが話すことは理解できる一方で、中核派に入るというのは突飛に感じます。まずは、これまでの人生を聞かせて下さい。出身はどちらで、どのような幼少期を過ごしたのでしょうか。 「関東地方の出身です。おとなしめで、いわゆる優等生だったと思います。大人の言うことはちゃんときく。自分がおかしいな、と思ったことも口にはしないで、とにかく大人の言うことを聞いていました。だから、教師からも気に入られていたと思います。小学校の時、クラスの問題児をなんとかするために、教師は私にいろいろなことをさせていました。教師の犬でしたね(笑)」 ──クラスにいる“いい子ちゃん”ですね。小学校で何か印象的だった出来事とかはありますか。 「未だに鮮明な記憶があるのが、ある障害のある子のことなんです。彼は障害のせいで、すぐにカッとなってしまうんです。教室の椅子を投げちゃったりするので、みんな彼の隣の席になりたくなかった。でも話してみたらすごくいい子で優しくて。彼は、悪い男子たちに煽られて、興奮させられていた。男子は激高した彼から女の子を助けて、かっこいい感じを演出していたんです。幼いながら、これに気付いた時に、何と言えばいいのかな……とにかく不快でした。  中学生の頃、彼と駅でばったり会って、そのときに言っていたのが『障害を利用されていたのが嫌で死のうと思っていたけど、助けてくれて嬉しかった』。それが個人的にすごく嬉しかったんです。この友人もそうですし、父親の兄弟にも重めの障害がある方がいることもあって、障害は私にとって身近なのでとても関心があるんです」 ──なるほど。ニノミヤさんの中学生活はどのようなものでしたか。また、部活などは何をしていたのでしょうか。 「中学は受験して私立に行きました。母は私にお嬢様学校に行ってほしかったようで、その意向通りに中高一貫の女子校に進学しました。  運動は本当に苦手で、中学の部活は華道部でした。高校はそのまま華道と軽音楽部です。バンドをやって、私はギターでした。文化祭で見た先輩達がとても格好良かったので始めたんです」 ──反抗期に音楽を始める人は私の世代でも多かったです。 「いえ、私には反抗期は本当になくて、周囲の言うことばかり聞いていたんです。そうしたほうが、物事がうまくいくと思い込んでいました。自分の意見は言わないようにしていたんです」 ──少し話は変わりますが、ニノミヤさんは、ご自身のXのアカウント「マルクス主義」で同性愛者であることをカミングアウトしていますね。 「はい。小学校の頃から男子に興味がなかったんです。進学した女子校で、先輩が女子同士で付き合っていて、何というか、世界が変わりましたね。同性同士で付き合うって、昔はありえないことだったので、そういうイメージを私自身がもっていたので、自分を押さえつけていたんですが、それが無くなって、中学校で価値観が変わりました。  公にしているか、していないかは別ですが、各学年にカップルは何組かいるような状況でしたね。私も何人かの方とお付き合いしました」  ニノミヤさんが高校に進学すると、人生を一変させる事件が発生する。性犯罪の被害者になってしまうのだ。 (第2回に続く)

もっと
Recommendations

車と衝突…バイクの17歳少女が意識不明、車運転の74歳男を逮捕 奈良・広陵町

奈良県広陵町で、74歳の男が運転する乗用車とバイクの事故があり、17…

参院選 投票始まる 有権者の選択は

20日、参議院議員選挙の投票が始まり 熊本県内の投票所にも朝から有権…

熊本初開催 ミッフィーzakkaフェスタ 限定グッズなど800点が勢ぞろい

今年 誕生から70周年を迎えた「ミッフィー」の雑貨を集めたイベ…

ダルビッシュ 今季最多の5回3失点で2敗目、歴代最多となる日米通算204勝目ならず 失点の形が2死からの3連打と先頭打者の四球

■MLBナショナルズ4ー2パドレス(日本時間20日、ナショナルズ・パー…

海の日は大気の状態が不安定 にわか雨や雷雨にご注意を

きょうとあすは、太平洋高気圧の張り出しにより、九州から東北では広…

世界のマエストロ・佐渡裕さん、母校でオケ指導…「君たちはキラキラ輝いて奇跡を起こせる」

世界的な指揮者の佐渡裕さん(64)が、母校の京都市立京都堀川音…

遠野なぎこさん死去 いしだ壱成さんが追悼 「カー子、順平、ヒロの三人で過ごした日々はまさに青春そのもので、色褪せない思い出です」 ドラマ「未成年」で共演

45歳で死去したことが公表された、遠野なぎこさん。大ヒットドラマ…

れいわ・山本太郎代表、コスプレ姿で投票呼びかけ波紋 衣装の説明なく「特に何もないですが。普段通りですよ」

れいわ新選組の山本太郎代表が2025年7月18日、「ガンダム」シリーズの…

【天気】東北から九州、おおむね晴れ 午後は山沿い中心に、にわか雨や雷雨

【全国のきょうの天気】東北から九州は、おおむね晴れるでしょう。午…

大谷翔平 後半戦初アーチで33号!4試合ぶりの一撃に本拠地ファン大歓声、スアレス2打席連続弾で33号もすぐにリーグトップタイに

■MLBドジャースーブルワーズ(日本時間20日、ドジャー・スタジアム…

loading...