「函館２歳Ｓ・Ｇ３」（２０日、函館） 来日したばかりのキングが、いきなり魅せた。世代初の重賞Ｖに９番人気の伏兵エイシンディードをエスコート。鮮やかな手綱さばきを函館のファンに披露し、「いいスタートを切って、そのまま逃げ切ることができた」と笑みを浮かべた。 絶妙なペース配分で完璧な騎乗だった。前半３Ｆのレースラップは３４秒３。この距離にしてはゆったりした流れで逃げると、そのままの流れで４角を回り、最後までしっかり脚を使い切った。「レース途中から息を入れられたし、ラスト６００からのギアチェンジもスムーズで、最後もしっかり加速してくれました」。ホッカイドウ競馬からの転入初戦で、初の芝レース。そんな若駒との初コンビだったが、心配は無用だった。 前回は１月に来日し、コスタノヴァでフェブラリーＳを制して女性騎手として初のＪＲＡ平地Ｇ１勝利を達成。再来日との今回は参戦２日目で重賞制覇を成し遂げた。ファンの間では“キング姐さん”の愛称で親しまれているが、管理する大久保師も「キング姐さんがうまかったです」と最敬礼。エイシンディードの走りには「ここを使うために中央に転入させた馬。母も管理していて、芝で走ってくれた馬でした」とうなずく。縁のある血統でのタイトルゲットに喜びもひとしおだ。 ８月１８日まで短期免許を取得しているキングは、今週が新潟、その後は札幌で騎乗予定。「この後の短期免許期間も頑張ります」。今年の夏競馬はキング姐さんから目が離せない。
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