【政治部長解説�】与党“過半数割れ”なぜ……「何とかしてくれ!」民意の爆発 参院選2025

今回の参議院選挙の結果について、日本テレビ報道局・井上政治部長にお聞きします。 ──与党が過半数割れ確実という結果となりましたね。 序盤から与党は過半数「微妙な情勢」であり、終盤調査では「厳しい情勢」でした。これを挽回できないまま、投開票日を迎えたということになります。政権幹部も終盤「動員で集まっているけど、熱気がない。全国でとんでもない逆風が吹いている」と話していました。 ──政権運営はさらに厳しくなりますね。 政府与党が提案する法案、野党の協力がなければ場合によっては一つも通らないということも起こりうるということになります。1994年の羽田内閣と同じ状況で、衆参共に過半数ない状況でした。この時野党だった自民党が「民意を反映していない」政権だ、 などとして不信任案を提出、可決する見通しとなったためわずか64日で退陣したということなんです。 1989年の宇野内閣も過去最低の36議席で退陣に結びついています。1998年の橋本内閣は44議席で退陣。2007年の安倍内閣は安倍さんの体調不良の問題もありまして退陣に至ったのですけど、このときは37議席でした。 ──一方、野党側ですが今回の選挙は「参政党」が躍進したのが象徴的でした 都議選に続き躍進したということになります。あまりにも情勢がいいものですから、目標議席を最初は6議席だったのですけど、20議席に引き上げたが、さすがにそこまでには届かないという見通しになっています。ある自民党議員も「旋風が吹いていた」「行き場のなくなった保守層の受け皿になっていた」と評していました。 ──そして、国民民主党が16議席。立憲民主党が21議席を獲得しています。 19日夜は新橋駅前で最後の演説があったが、演説後も玉木代表とハイタッチをするために長い列を作るなど、熱気を感じました。参政党に一部、票が流れたのではとの見方もあるが、現有議席の4倍の16議席となりました。 立憲民主なんですけど、改選議席は22なので、ほぼ同じレベルの議席となりそうです。党の勢いがはかれる比例代表でも立憲民主に今回、風は吹いていなかったと言っていいと思います。ある立憲民主の幹部も「安定した政党としての安心感、みたいなものはあると思うけど、 やはり勢いで言うと国民民主や参政に取られている」といった分析をしていました。 ──有権者は何を求めてこのような結果となったのでしょうか? 今回の選挙は参議院議員を選ぶというよりは、「何とかしてくれ!」という民意の爆発だったとみています。痛みは様々で物価高だったり、一向に増えない手取りだったり、将来への漠然とした不安だったりで、「既成政党」はその痛みを和らげる処方箋を示していないんじゃないかと、もしくは本気で向き合おうとしていないのではないかと受け止められた、その結果が今回の議席に現れたのではないかとみています。

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