参議院選挙で大敗を喫した自民党の石破首相は21日、あらためて「続投」する意向を示しました。 ◇ “過半数割れ”。去年の衆院選、先月の東京都議選に続き、厳しい戦いとなった与党。 対照的に躍進を遂げた野党。国民民主党は改選議席の約4倍となる17議席を獲得し、“台風の目”となった参政党は14議席と大躍進を見せました。 大敗から一夜明け、無言のまま自民党本部に入った石破首相。臨時の役員会を行い、参院選の統括のため、近く「両院議員懇談会」を開くことなどを確認しました。 自身の進退が注目される中、行われた会見で続投を表明。 石破首相 「私ども自由民主党は極めて厳しい国民の皆様方の審判をいただきました。我が自由民主党、そして友党公明党、多くの有為な同志の方々、議席が得られなかったということは痛恨の極みであります。私どもはこの結果について謙虚に真摯(しんし)に受け止めなければならない。今般の選挙結果に対する重大な責任を痛感しながらも、政治を停滞させないよう『比較第一党』としての責任、国家国民の皆様方に対する責任を果たしていかねばならない」 アメリカとの関税交渉や物価高対策、さらには地震などの自然災害も“喫緊の課題”とし、“解決の道筋をつける”と強調しました。 しかし、石破首相をめぐっては、気になる過去の発言が…。 2007年、第一次安倍内閣が参院選で大敗し、当時の民主党に参議院第一党の座を明け渡した際。 「総理は辞めるべきだと思う。『いまの自民党は嫌だ』と投票した人たちの気持ちを無視するようなことはあってはならない。総理が何の責任も取らないとしたら、いかんのじゃないの。本当に自民党なくなるよ、そんなことしたら」 当時の安倍首相に“辞任を迫るような発言”をしていました。このことについて21日の会見で問われると…。 石破首相 「(当時の安倍)総裁が続投されるということならば、それはなぜなのかということをご説明いただき、我々議員のみならず党員・国民の皆様方の広いご理解をいただくことが必要だということを申し上げたものでございます」 “続投には理解を得ることが重要”だと説明。しかし、衆参両院での過半数割れとなる中で、党内からは…。 自民党 京都選挙区で当選 西田昌司氏 「党の総裁としての責任をはっきりさせていただけなければ。たくさんの仲間が落選している。彼らにとってもその責任を果たすことをやっていただけないと(落選者は)泣くに泣けない」 自民党の大阪府連で会長を務め、参院選の結果を受けて会長辞任を表明した青山繁晴議員も、読売テレビの報道番組で…。 自民党 青山繁晴議員 「総理はおやめになるべきです。国民が困難に直面してるのだから、これで続投だと選挙している意味がない」 “続投”を批判する声が、次々と上がっています。 さらに自民党高知県連は21日、緊急役員会を開き「参議院選挙の敗北の責任を取り、国民の民意にそって石破総裁は早期に退陣すべき」として、党本部に申し入れる方針を決めました。 また、この人にも動きが…。 河野氏のSNSより 「委員長代行の辞表を預けました」 自民党の河野太郎前デジタル相は21日、現在務めている選挙対策委員長代理の辞表を、木原選対委員長に預けたことも明らかにしました。その上で…。 河野氏のSNSより 「関税交渉の最中に総理がお辞めにならないのは理由があるにせよ、選挙の責任者である幹事長がまだ辞表を出していないのはおかしい」 石破首相の続投に理解を示す一方で「森山幹事長は辞任すべき」と述べました。 揺れる自民党。こうした中、注目されるのが「ポスト石破」をめぐる動きです。 候補として名前の挙がるこの人は21日、自民党総裁選が行われた場合、出馬するかと問われると…。 自民党 小泉農水相 「あらゆる政治の選択肢というものはあるんでしょうから、現時点でお答えすることはありません」 出馬に含みを持たせました。 (7月21日放送『news zero』より)