第１０７回全国高校野球選手権大会の秋田県大会は２２日、秋田市のこまちスタジアムで決勝が行われた。 　金足農が、初めて決勝に進んだ鹿角を延長十回タイブレイクの末、２—１で破り、２年連続８度目の優勝を果たした。金足農は８月５日に開幕する全国大会に県代表として出場する。 金足農２—１鹿角 　金足農が好機を着実に生かし、鹿角の追い上げを振り切った。 　延長タイブレイクにもつれ込んだ十回、武藤一斗選手（２年）の犠打で一死二、三塁の好機を作り出すと、高橋海生選手（同）がサヨナラのスクイズを決めた。投げては先発の吉田大輝投手（３年）が１失点の完投。佐藤晃真主将（同）は「相手チームに勢いがあり、厳しい場面もあった。甲子園では堂々と戦って、２０１８年の準優勝を超えたい」と話した。 　鹿角は九回、振り逃げで舘洞拓選手（２年）が出塁し、豊田鷹平主将（３年）の内野安打で同点としたが、打線がつながらなかった。 土壇場で同点打「おっしゃー」 　１点を追う九回、二死三塁の好機に打席に立った。「つないでくれたチャンスを自分が決める」。真ん中に来た直球を捉えたゴロは内野安打となり、土壇場で同点に。「このまま優勝する」との思いを込め、「おっしゃー」と叫んだ。 　この試合、金足農の吉田大輝投手（３年）が立ちはだかり、七回まで３打席無安打。九回の打席に送り出される際、小林洋介監督から「前向きにいこう」と言われ、迷いが吹っ切れた。 　チームは打撃力が課題だった。昨年秋以降、一人一人に合ったフォームを一から作り上げ、休日には６時間以上を打撃練習に費やし、基礎体力を養った。今大会、２、３回戦のチーム打率は３割を超え、強豪に打ち勝ってきた。「長打が生まれ、出塁率が上がった」と今大会の快進撃を振り返る。 　昨年春、３高校が統合して新設された鹿角。主将として「つらい練習を乗り越えたことで団結できた」と振り返り、「みんなと一緒に野球ができて本当に楽しかった」とすがすがしい表情で語った。（簗田明）