石破首相は２３日、欧州連合（ＥＵ）の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長、アントニオ・コスタ欧州理事会常任議長（ＥＵ大統領）と首相官邸で会談し、中国を念頭に、防衛産業の基盤強化に向けた協力を推進することで一致した。 首相は会談で「多国間主義や法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守るべく、緊密に協力したい」と呼びかけた。フォンデアライエン氏は「競争力を強化し、共通の安全保障を強め、我々の価値に沿ったグローバルスタンダードを作る」と応じた。 会談後に発表した共同声明では、「欧州とインド太平洋の安全保障は相互に連関している」と指摘し、中国を念頭とした東・南シナ海での強引な海洋進出に「深刻な懸念」を表明した。台湾情勢についても「力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも反対する」と強調した。 その上で、防衛産業の基盤強化に向け、「日ＥＵ防衛産業対話」を創設することを盛り込んだ。国際的な経済秩序を主導するため、日ＥＵによる「競争力アライアンス（連合）」を設置することも明記した。レアアース（希土類）などの重要原材料と電池のサプライチェーン（供給網）の強靱（きょうじん）化を進める。
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