アメリカとの関税合意を受け、石破首相は野党の党首らと会談し直接、説明しました。気になる石破首相の進退は…。野党トップからはそれぞれ違った受け止めが聞かれました。 ◇ 25日も、続投の意思をにじませた1日でした。午前9時半すぎ、官邸に集まった石破内閣の閣僚たち。いわば“チーム石破”のメンバーです。 石破首相 「今般、米国の関税措置に関する日米協議について、トランプ大統領との間で合意することができました」 日米関税の合意を報告。手元の紙を読み終えると、顔を上げ… 石破首相 「ここに至るまでに本当にみなさま方に一致して全力で交渉を行っていただきました。今後ともみんなで一致して、国家国民のため世界のため頑張ってまいりましょう」 「今後ともみんなで」とチーム石破に呼びかけました。 続いて、険しい表情で向かったのは、打って変わって敵陣。野党党首らとの会談です。 石破首相 「本日は今般の(日米関税の)合意の内容について、ご説明する機会を頂戴しました。よろしくお願いします」 日米関税合意の内容について説明するため、石破首相自ら、呼びかけたといいます。およそ1時間の会談で、何が話されたのでしょうか。 ——首相からどのような話を? 石破首相 「(日米関税合意について)いろいろ非常に有益なご指摘をいただいた。また私の方からこれから先のことについて説明したか、そういうことは、ご説明はしておりません」 石破首相は、進退については何も説明しなかったということです。野党側にも聞きました。 立憲民主党 野田代表 「総理からこの資料、合意の概要をまとめた文書(の説明)。各党からそれぞれの意見と質問があった。きちんと(アメリカと)合意文書も作らないままにお互い解釈が違うところが出てきそう。地雷原をいっぱい感じた。他の党もみんな言っていた」 野党の党首からは、“アメリカと正式な合意文書を作るべき”などの指摘が相次いだといいます。ただ、進退についての受け止めは、野党それぞれです。 ——進退に関わるような質問は? 立憲民主党 野田代表 「関わるといえば関わる。“婉曲に”『合意の交渉の完結のメドはどういうことなのか』その辺はあいまいだった」 進退について、きっぱり切り込んだというのが、国民民主党の玉木代表。 国民民主党 玉木代表 「私から『いつまでやるんですか?』最後、私が聞いて『進退に関わることは、言っていないんだけどなぁ』(進退について)言っていないということを言っていた。話を聞いていると続投への強い意欲を感じた内容でしたね。文書にも書いていました。『私とトランプ大統領との間で、今般の合意の実施に努める』続投の意欲を感じた内容」 “続投発言”を、はっきり聞いたという人も… 共産党 田村委員長 「最後に『やめません』と一言言っていましたけどね。『この交渉大変ですね』『やめません』と一言。最後終わる時、席を立つ時、ざっくばらんなやりとりの中で。緊張した状態ではなく最後に」 ——文脈の中では明らかに首相職を「やめない」ということ? 共産党 田村委員長 「まぁ『やめません』というのは、それ以外にないんじゃないですか? ぜひ総理にお聞きください」 参院選で躍進し、党首会談に参加した参政党の神谷代表は… 参政党 神谷代表 「様子を見るところはあった。総理も明言はされなかったけど、いろいろな背景もある中でやっているんだと。今、総理は辞任されないとおっしゃっているけど、いろいろ宙に浮いた案件がいっぱいあるんだろうな」 これまで、一切揺らぎを見せていない続投の意思。ただ、退陣を望む声は身内からも日に日に増しています。自民党の若手・中堅議員が所属する自民党青年局のトップが25日、党幹部、森山幹事長のもとへ向かいました。 自民党青年局長 中曽根康隆議員 「たった今、幹事長に対し緊急申し入れをしてまいりました。石破総裁はじめ執行部の責任は極めて重く、そのけじめを強く求める」 石破首相の続投などについて、日本テレビは自民党の47都道府県連に対しアンケートを実施しました。 回答以外に取材も加えると、「辞任を求める」と回答したり、組織決定したりしたのは「11」。また、組織決定ではないものの、役員などが辞任の必要があるという認識を示したのは「6」。あわせて17道府県となりました。