第48回を迎える日本テレビの「24時間テレビ」が今年は8月30日から31日にかけて放送される。昨年はジャニーズ問題や系列局幹部による寄付金着服事件の影響もあり、放送自体が危ぶまれたほどだった。しかし、終わってみれば寄付金も視聴率もアップ。むしろ去年の成功が、今年の放送の足かせになっているとか……。 *** 【写真を見る】「性加害を想起させかねない」と物議を醸した24時間テレビの「なにわ男子」の“幼少期ポスター” 今年のテーマは「あなたのことを教えて」だそうだ。総合司会は昨年同様、くりぃむしちゅーの上田晋也(55)、フリーの羽鳥慎一アナ(54)、日テレの水卜麻美アナ(38)が務める。そして新たに設けられた“チャリティーパートナー”に、浜辺美波(24)、志尊淳(30)、やす子(26)、長嶋一茂(59)、King & Princeの高橋海人(26)と永瀬廉(26)、氷川きよし(47)が就任し、総勢10人が番組の顔となる。民放プロデューサーは言う。 やす子 「一昨年まで長年にわたり旧ジャニーズ事務所のタレントを“メインパーソナリティー”として起用することに固執してきた日テレですが、昨年からは廃止せざるをえなくなりました。チャリティーパートナーという新機軸に移行するのは理解できますが、以前からあった“チャリティーパーソナリティー”はどうなってしまったのか、チャリティーパートナーの7人が番組全体に絡むのか、演出と構成が注目されています」 番組の公式ホームページによると、チャリティーパートナーとは《災害復興や福祉支援など、それぞれのテーマで「24時間テレビ」の企画に参加し、チャリティーの輪を広げていただく協力者》のことだという。すでに浜辺は地元・石川で発生した能登半島地震の復興企画、志尊は小腸がんと闘う若者を取材、キンプリ高橋は国境・人種・障害などの壁を越えた様々な人々とのダンスショー、キンプリ永瀬はバリアフリーな花火の打ち上げを担当することが発表済みだ。 昨年の募金額は歴代2位 「他は未発表ですが、2002年以来23年ぶりの出演となる氷川さんは、歌手活動復帰とイメチェンの話題性を買われての起用かと思われます。それを生かした企画を担当するのではないでしょうか。また、一茂さんは今もっとも面白がられるバラエティタレントの一人で、視聴率を持っている。昨年の能登復興の野球企画も好評だったので、2匹目のドジョウ狙いもあるでしょう。さらに、6月に亡くなった長嶋茂雄さんに関する企画とも関連があるのかもしれません」 残るは、昨年、チャリティーマラソンのランナーを務めたやす子だ。 「昨年のテーマは『愛は地球を救うのか?』。これまでのチャリティー番組としての存在意義を疑問視するかのようで、それほど切羽詰まった放送となりました。しかし、やす子が児童養護施設のためという“目的別募金”でチャリティーマラソンを完走したことが大きな話題となりました。この7月に発表された昨年の寄附金総額は15億8955万4167円で歴代2位となり、このうちやす子のマラソンで集まったのは5億493万6310円、実に3分の1近くを彼女が集めていたのです」 ちなみに、歴代トップは19億8641万4252円で、東日本大震災があった2011年の放送だった。 救世主となったやす子 「昨年のチャリティーマラソンの成功により『24時間テレビ』を救った功労者こそやす子なのですから、今年、起用しないというのはあり得ません。今回も児童養護施設の支援企画になるのかはわかりませんが……」 昨年の世帯視聴率は12・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、3年ぶりに12%台となった。 「昨年の成功で『24時間テレビ』は救われたのです。それだけに今年はプレッシャーがかかっていると思われます。新たに設けられたチャリティーパートナーの人選も、若い世代に人気のタレントを集めていると思います。13歳から49歳のコア世代を狙っているのがはっきりしていて、人気という面では文句なしです。発表後に浜辺と永瀬の熱愛報道があったのは想定外だったとは思いますが、それも話題となるかもしれません」 2年ぶりとなる旧ジャニーズ事務所のタレント起用についてはどうだろうか。 「チャリティーパートナーの1組として起用したのは評価していいと思います。国分太一の『ザ!鉄腕!DASH!!』降板を引き合いに批判する声もあるようですが、キンプリへのオファーが先だったと思います。ちなみに、日テレはSixTONES推しといわれていますが、彼らはメンバーが6人もいるので、チャリティーパートナーの1組としてははまりにくかったのかもしれません」 キンプリが2021年の「24時間テレビ」でメインパーソナリティーを務めたとき、メンバーは5人だったが、今は2人だ。 「問題はチャリティーマラソンで誰が走るかでしょう。昨年のやす子のような救世主ランナーはなかなか出てくるものではありません。ましてや年々酷暑がひどくなる中、長年にわたり練習から本番までをサポートしてきたランニングプロデューサーの坂本雄次さんですら、この暑い時期に走り続けることに苦言を呈するなど批判の声も大きく広がっています。視聴者的にはチャリティーマラソンは“オワコン企画”でしょうから、これにどう対処できるか。今年のほうが『24時間テレビ』の存続に関わってくるのかもしれません」 救世主は現れるのか? デイリー新潮編集部