全国高校野球地方大会は２６日、１２大会で決勝があり、広陵（広島）が延長タイブレイクを制し、神村学園（鹿児島）は大量得点で圧倒して、ともに３年連続で夏の甲子園出場を決めた。 長野では松商学園が３８度目の夏切符。綾羽（滋賀）、未来富山（富山）はともに春夏通じて初出場をつかんだ。神奈川では東海大相模がサヨナラ勝ちで決勝に進んだ。 松商学園３—１佐久長聖 無死満塁スクイズ 同点の六回無死満塁で、スクイズのサインが出た。２ボール１ストライク。「ヒッティングだろう」と思っていた松商学園の９番久保田は、すぐに気持ちを切り替えた。「しっかりこの一球に集中しよう」 左打者は、高めのスライダーを落ちついて投手と三塁手の間に転がした。「よし、１点来た」。慌てた三塁手がボールを捕り損ね（記録は犠打失策）、１点先制してさらに無死満塁のチャンスが続いた。 ２年生ながら副将も務める久保田は、これで準決勝、決勝と続けて決勝スクイズに成功。今大会はなかなかヒットが出なくて苦しんだが「自分の役割を考えたら、打てなくてもバントや四死球でチームに貢献できる」と試合に臨んでいた。 ３点を奪った六回の攻撃で、安打は１本だけだった。得意の小技で少ないチャンスを得点につなげる松商学園。しぶとい野球で、名門が４年ぶりに甲子園に帰ってきた。（小石川弘幸） 松商学園（長野） ４年ぶり３８度目 ◇１９１３年創部。卒業生に巨人の直江大輔、パリ五輪柔道女子金メダルの出口クリスタら。私立。
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