夏の全国高校野球大会の東東京大会は２６日、神宮球場で準決勝２試合が行われ、関東一が２年連続、岩倉は２４年ぶりの決勝進出を決めた。 　関東一は２—０で実践学園を零封し、岩倉は小刻みに加点して６—１で修徳を破った。２７日は、西大会の準決勝２試合が神宮球場で行われる。東大会の決勝は２８日に同球場で予定されている。 岩倉６—１修徳 　岩倉が２８年ぶりの甲子園に王手をかけた。最終回に岩崎佑志主将（３年）のダメ押しとなる本塁打などで突き放した。 　３点リードで迎えた九回表の打席。前の２人が左飛と空振り三振に倒れた。「相手に流れがいかないように、打たないといけない」と２球目を強振した瞬間、「これはいったぞ」と確信した。打球は左翼手の頭上を越え、スタンドに。笑顔でダイヤモンドを一周した。 　主将として、プレーでチームを引っ張ってきたつもりだ。体格に自信がない分、筋力トレーニングで体重を５キロ増やした。打球速度が増し、春大会でも一発を放っている。 　この日は自身の本塁打に続き、２四球と内野安打などでさらに１点を奪い、最後まで流れを渡さなかった。「個々の結果じゃない。チームでどう１点を取るか考えよう」との方針をチームが体現した。 　準々決勝の帝京戦でも二塁打を３本打つなど、コンディションは最高だ。「岩倉の野球を貫いて、甲子園に行きます」。決戦を前に目を輝かせて言った。 好投上原、勝ち越し打も 　岩倉は、先発の上原慶大投手（３年）が５回１失点と好投し、自らのバットで勝ち越し点もたたき出した。 　準々決勝までの全５試合で先発マウンドに上がってきた。試合を重ねるごとに観衆の数も増え、準決勝は「緊張した」が、初回を２三振を含む三者凡退で切り抜けた。 　以降は「気持ちが乗った」と四回まで一人の走者も出さない投球。五回に追いつかれ、六回でマウンドを譲ったが、この日は打席でも仕事をした。 　六回一死二塁の好機。３ボール０ストライクも、「打て」のサインに「来た球を振り抜いた」。スライダーをたたくと、打球は中前に抜けて勝ち越しとなる適時打。準々決勝の帝京戦では３ボールの後に三振していただけに、「今日は自分の失点を取り返したいと強気で臨んだ」という。 　甲子園出場まで、あと一つ。決勝に向け、「自分たちは挑戦者という気持ちで、謙虚に戦っていきたい」と気持ちを切り替えていた。 西東京大会は２７日準決勝 　夏の全国高校野球大会の東・西東京大会は２７日、西大会の準決勝２試合が神宮球場で行われる。 　第１試合は午前９時から東海大菅生と国士舘、第２試合は同１１時半から八王子と日大三が対戦する。