【ワシントン＝向井ゆう子、シエムレアプ（カンボジア北西部）＝竹内駿平】タイとカンボジアの国境地帯で起きた軍事衝突で、訪英中の米国のトランプ大統領は２６日、両国が停戦協議を始めることで合意したとＳＮＳで明らかにした。 タイのプームタム・ウェーチャヤチャイ首相代行、カンボジアのフン・マネット首相と個別に電話会談し、仲介したという。 トランプ氏は「両国は即時停戦と和平の実現を模索している」と述べた。両国との電話会談では米国との関税交渉に言及し、「戦闘が続く限り、どちらの国とも合意を結ぶつもりはない」と通告したという。 タイのプームタム氏は２７日、「市民の安全を優先するため、停戦に合意したい」としつつ、「カンボジアが軍を撤収させ、誠実な態度を見せなければならない」と強調した。カンボジアのフン・マネット氏も同日、トランプ氏の即時停戦の提案に同意したと表明した一方、「タイ側が立場を逆転させないよう願う」とけん制した。 両国の軍事衝突は２７日も続き、非難の応酬を繰り広げている。今回の衝突を巡る両国の死者は計３０人を超えた。東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）議長国マレーシアも停戦を呼び掛けるなど外交努力が続いているが、実現は見通せない状況だ。
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