【エルサレム＝福島利之】イスラエル軍は２７日、パレスチナ自治区ガザの南部マワシ地区など３地域で、戦闘の一時停止を始めた。 人道支援の規模拡大を目的としており、期限は改めて通知する。ガザの飢餓状態が深刻化し、国際社会で高まった批判を受けた措置だ。 軍によると、３地域はマワシ地区のほか北部ガザ市と中部ディール・アルバラハの海岸沿いで、毎日午前１０時〜午後８時に戦闘停止となる。国連などの食料や医薬品を積むトラックの安全を確保するためのルートも午前６時〜午後１１時に設置される。 軍は２６日夜、小麦や砂糖などが入った７個のコンテナを空中からガザへ投下したほか、水を供給するため送電線をガザの淡水化プラントに接続した。軍の報道官は「ガザでの軍事作戦を実施しながら、人道支援を続ける」と説明しており、一時停戦の対象地域以外では戦闘を続ける方針だ。 エジプト赤新月社によると、食料などを積んだトラック１００台以上が２７日、ガザへ向かった。一方、軍は２６日、イタリアから支援物資を載せてガザに向かっていた船を拿捕（だほ）し、乗っていた活動家２１人を拘束した。 ガザで人道状況が悪化したのは、５月下旬にイスラエルと米国が主導する「ガザ人道財団」の支援が始まり、国連などの物資搬入が制限されたためだ。ガザ保健当局は２７日、飢餓や栄養失調で新たに６人が死亡したと発表した。パレスチナ赤新月社は同日、「意図的な飢餓は戦争犯罪だ」と非難する声明を出した。
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