「公明」ジリ貧でピークの898万票から521万票に 5年前の世界的事件が

比例での得票数は過去最少  参議院選挙で公明党は14議席以上の確保を目指していたが、8議席にとどまった。比例代表の得票数も521万票で目標の700万票に届かず、3年前の参院選に比べて100万票ほど減らした。昨年の衆院選、6月の都議選の結果を見れば、この退潮ぶりはある程度想定されたものだったとはいえ、公明党や支持母体の創価学会は芳しくない選挙結果をどう分析しているのだろうか。 【写真を見る】氷川きよしを応援する「創価学会芸能人」大集合  公明党は参院選で「選挙区7議席、比例代表7議席以上」を目標として掲げたが、届かなかった。埼玉、神奈川、愛知の現職は落選。公明候補が3選挙区で落選したのは2007年以来18年ぶり。7選挙区での勝利は2016年から3回続いていたが、それも果たせなかった。比例での得票数は過去最少だった。 公明党の斉藤鉄夫代表 「公明が重視しているのは地域であり地方議会です。靴底をすりへらしながらなかなか中央まで届きにくい“声なき声”を拾って寄り添っていくというのが党是で、国政のほうが上とか重要だとか、そういった考えを持つべきではないということですね。だからといって今回の参院選での敗北がショックでないことなどないわけですが」  と、政治部デスク。 創価学会内では  公明や支持母体の創価学会内で、党勢の縮小をどう見ているのだろうか。 「様々な分析があるようです。2022年7月に安倍元首相が殺害されて以降、旧統一教会に絡んで宗教2世・3世がままならない人生を送ったり困難を抱えたりしてきた現実がクローズアップされました。“決してプラスではなかった”と学会内では分析されているようです」(同)  公明の国政選挙における比例選での得票は2005年衆院選の約898万票をピークとし、それから右肩下がりで推移している。 「自民も同様ですが、支持層の高齢化と、それに伴う次世代への継承ができずに来たというのは大きな問題のようです。が、それらよりも大きなダメージを与えたのがコロナ禍でした」(同)  どういうことなのか。 「選挙が近づいて学会員の知り合いなどから“公明が推薦する候補”に投票依頼された経験がある人は少なくないと思います。でも実は、こういった活動を嬉々として行っている学会員はそう多くないんですね」(同) コロナ禍を受けて 「知り合いに依頼するならまだしも、知らない人にも支援をお願いし、その反応について投票間違いなし=A、可能性高そう=B、微妙=C、望み薄=D……などといった評価をひたすらつけていく作業を続ける。こんなことホントはしたくないのになぁという思いを抱えている人たちも多かった。それがコロナ禍でそもそもみんなで集まったりすることができなくなったため、その種の嫌な作業からも解放されることになったようです。国内での感染者確認が2020年1月でしたから、もう5年以上前、安倍政権の頃に崩壊のきっかけがあったということでしょう」(同)  味をしめたというと意地悪な表現かもしれないが、したくないことを無理にしないで良いのならそっちのほうがいいじゃないかと考える人が出てきても不思議ではないだろう。 「コロナ禍を乗り越えた後、それ以前ほど、一連の政治的活動に身が入らなくなる学会員が増えているようで、公明の退潮とも重なるとのことです」(同) 選挙サポートは功徳に  永田町で公明はその役割を終えたのではないかとの見方も浮上していた。 「少なくとも当事者の中でそのような考えはないようですね。今後も自民と連立を組み続けるでしょう。選挙をサポートする活動は功徳になる、それが世界平和や人々の幸福を実現し、現世利益につながっていくという学会の考え方は変わらないというか、信仰と結びついていますから。組織引き締めのためにさらに強められていくのではないかとの見方すらあります。内閣で大臣や副大臣、政務官ポストを得て、政策を実現し続ける必要があるのでしょう」(同)  選挙サポートは功徳——。選挙結果が目標に届かず、学会員による選挙サポート活動が報われないことが今後も容易に想定されるが、現場のやる気にかかわらずしばらくはこれまでと同じ取り組み方が続きそうだ。 デイリー新潮編集部

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