本格的な夏の到来!うだるような暑さから逃れるため、海・川・プールへと足を運ぶ人も多いのではないでしょうか?しかし楽しいはずの水辺には、思わぬ危険が潜んでいます。おぼれそうになってヒヤッとした経験がある人も多いのではないでしょうか?(アーカイブマネジメント部 萩原喬子) 【写真を見る】まさか、こんなことで…夏の水辺に潜む“おぼれ”の危険【気象予報士・森朗のお天気タイムマシン】 毎年繰り返される悲劇…夏に多発する水難事故 連日ニュースで報じられる水難事故。海水浴や川遊びなど、水辺に親しむ機会が増える夏は、残念ながら水難事故も多発する傾向にあります。 警察庁のデータによると、水難事故の発生件数は例年7月・8月に集中しています。昨年(2024年)はなんと1535件もの事故が発生し、水難者は1735人、うち死者・行方不明者は816人にも上ります。そして最も事故が多い場所は海で45.6%、次いで河川が35.3%と自然の水辺での事故が多いことがわかります。 気象予報士・森 朗氏が語る「おぼれかけた」体験談 森さんも過去に2度ほどおぼれかけた経験があるそうです。 1:足がつかずに大パニック 気象予報士 森 朗氏: 1度目は小学校低学年の時、学校のプールで足のつく場所から深いところに進んでしまい、生まれて初めて足がつかない場所でパニックに。その時助けてくれた6年生のお姉さんのことは今でも忘れられません。 2:浅くてもおぼれる 気象予報士 森 朗氏: 2度目はウインドサーフィン中に転倒し、自分の上に帆が被さってしまった時です。膝くらいの深さの場所だったにも関わらず、おぼれそうになり、水平方向に移動してなんとか難を逃れました。この経験から浅くても危ないんだなと痛感しました。 天気急変が命取りに!?見落としがちな「水辺×気象」の危険 天気の状況によっても“おぼれる”危険性が高まることがあります。急な強風で流されたり、落雷・大雨、そして河川の増水などが挙げられます。 気象予報士 森 朗氏: この時期は急な雨や強風など天気の急変に注意が必要です。こまめに気象情報を確認するようにして下さい。また遊んでいる場所は晴れていても、少し離れた山の方で大雨が降ると、川は急に増水し、中州に取り残される危険もあります。危険な場所からは離れるようにしましょう。 「台風」遠くても油断は禁物!見えない「うねり」と「離岸流」 気象予報士 森 朗氏: これからの時期、多くなりそうなのが台風の影響です。台風がまだ遠くにあっても「うねり」が届くことがあります。昔から「土用波」と呼ばれ、台風のうねりは海岸付近で高い波を発生させます。穏やかな天気だからと油断していると、思いがけない高い波に巻き込まれる危険も出てきます。 また遊泳が許可されている海でも「離岸流」が発生する可能性があります。あっという間に沖に流されてしまうので気をつけて下さい。離岸流に流されているかどうか気づくためには、陸地の目標物を決めておくことが大切です。そこから少しでも自分がズレたり、離れたりしていることに気づけば早めに対処出来ます。 天気だけじゃない…「おぼれ100」で学ぶ身近な危険と対策 「海のそなえプロジェクト」ではおぼれた経験がある1000人を対象に調査し、おぼれたきっかけが100個が発表されています。「まさかこんなことで?」と思うような、意外な原因から誰もが知る危険まで、様々な経験と対策が紹介されています。 気象予報士 森 朗氏: 今年は特に「熱中症対策」も必要になってきます。水中にいると涼しく感じるため忘れがちですが、直射日光や水中の疲労で想像以上に体力が奪われていきます。水辺は日陰が少ない場所も多いため、こまめに休憩をしながら水分補給をして、大きな事故に繋がらないように気をつけて下さい。