ゴルフではなぜギャンブルショットを黙認しているのか?研究者が解説

ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす! ゴルフではなぜギャンブルショットを黙認しているのか? テニス、野球、ゴルフのような用具を使うスポーツのスイングには共通点が多い。スクエアというと飛球線に対してクラブが直角という意味で使われることが多いが、実際には「体幹に対する腕がスクエア状態でのボディターン」と考えるべき。これを外すと手打ちとなってしまう フェアウェイの狭いホールでドライバーを打つ状況を想像してみてください。当然、スライスやプッシュアウト、引っかけが一定の割合で出てしまう人にとってはロシアンルーレット的な状況かも知れません。ところが、テニスでは(中級者以上であれば)狙って当り前。疑うことを知らず100%の確信をもって打っています。 なぜなら、ラケットは手の延長で感覚的には投げるのと何ら変わらないからです。当然ミスもありますが、それはたまたま失敗しただけで、自分の技術に疑いを抱くようなことはありません。ゴルフの場合は飛距離が出るので小さなミスでも増幅され難しいことはたしかですが、それを容認してギャンブルを受け入れてしまっては、攻める楽しさなど味わえるはずもありません。 手製練習器で100%狙って打てる感覚を手に入れる 前回「基盤性技術」と「揮発性技術」の話をしました。左右のショット精度は基盤性技術として身につけたいものですが、一方、一定量の練習量があってこそ到達できることも事実なので、今回は毎日練習ができるような練習器を自作してみたいと思います。最初に、それなりに重量のあるゴルフマットにドリルで穴をあけ、底面から直径6ミリ、長さ100ミリほどのボルトを突き出させ、ゴルフのグリップゴムの底にある穴にこれを挿して巨大なティーを作ります。 さらに、要らなくなったドライバーを、このティーの上でボールが打てるように調整してシャフトをカットしてください。私の場合、カット後に測ってみたら29インチほどでした。径の細いジュニア用グリップを装着して超短尺ドライバーの完成です。これに室内で打てるゴルフ練習ボールを用意します。お勧めは野球練習用のEVA製の直径42ミリのミニ穴あきボール。 初速が速いのでドライバーで実際に打っている感覚が得られ、かつ不思議なことにほとんど無音で打てるためカーテンに打ち込んで、その下にクッションなどを置いておけば集合住宅などでも近所を気にすることなく練習が行なえるすぐれものです。さらに難易度は上がりますが、スエード調の質感のスノーボールも弾道が顕著に現れるのでお勧めです。 コツは思い切り打つのではなく、ゆっくりとした体幹の回転に乗せたスイングでコントロールして山なりのやわらかい弾道を打つことです。これで持ち球が6球であれば、その6球すべてが意図したところに飛ぶように打ってみる。テニスでは、このようなシチュエーションでは100%ミスすることはありませんのでそのレベルを目指しますが、ミスが出るようであれば、まずは距離を欲張らず、4メートルで打っていれば2メートルくらいの距離に縮めてリラックスして打ってください。 さて、うまくいってもいかなくても、ここでもう1度スイングを見直してみましょう。テニスでもゴルフでももっとも重要なのは、体幹に対していつも腕はスクエア(直角)な状態であることです。ゴルフでスクエアというと飛球線に対して直角という意味で使われることが多いですが、実際は胸に対して腕がつねにスクエアな状態と読み替えるべきで、そのときにキーとなるのが右ヒジです。 テニスではバックスイングで右ヒジを体側に近づけ、体幹と一体化させることで腕を体幹に対してスクエアにしてコンパクトに振りますが、これはゴルフでも一緒。ただ、スクエアといってもバックスイングでは回転半径を小さくするために、クラブが立ち、自然にヒンジバックが行なわれるのでクラブ自体はスクエアになっていません。 このヒンジバックはインナーカウンター、左腕によるブロックで解放され、手首から先が二重振り子となって加速しますが、インパクトで左腕とシャフトが一直線となったところでフィックスさせ、シャフト&左前腕が一直線となり、スクエアとなったところで胸をターゲットへ向けるようにして振り切ります。このとき手首を反してしまうことはNGです。 これはイラストCのような卓球の手首を固定したフォローをイメージするとわかりやすいと思います。フェースを反してしまうのは、体幹と切り離して手打ちになってしまうことになるのでやってはいけません。以上のような、右ヒジの引き寄せ、インパクトでの手首の固定、スクエアな状態をキープして胸をターゲットに向けて振り抜くというのはテニスでは自然の動作だったので、これまでインパクト後は何もせず惰性にまかせるといういい方をしてきましたが、実際には無意識でこのようなフィニッシュを行ないます。 なお、ドライバーでは飛ばそうと左手ブロックを強めにしてしまいがちですが、グリップ側からヘッドを操作してしまうので軽いタッチでブロックを行ない、ヘッドが自らイメージしたインパクト位置に収まるようなヘッド主体のスイングを目指してください。毎日練習できるというのはフィードバック効果的が絶大で、1週間ほどで私は思ったところに打てるようになりました。 いかがでしたか? スイングとコントロールを意識した練習を行ってみましょう。 文・イラスト=サンドラー博士 ●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。

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