いま日本で謎の死が増えている——。コロナ禍以降、有名人が癌で亡くなるニュースが相次ぎ、癌の死亡者数が急増しているのはなぜなのか。効果が疑わしいワクチンや無意味な医療を、国や医療界が推奨し続ける背景には何があるのか。日本の医療界に潜む巨大な闇に、地域医療で奮闘する在野の医師がメスを入れる正義の一冊!6月5日発売の新刊『何かがおかしい 「がん急増」の謎』より抜粋・再編集して、内容の一部をお届けする。 『何かがおかしい 「がん急増」の謎』連載第34回 『内部告発本を批判していたのは「製薬会社からお金を受け取った医師」…安全性を犠牲にしてまで「不完全なコロナワクチン」を承認したい理由』より続く。 ワクチンを推奨していた医師による「手のひら返し」 先日、神戸大学大学院医学研究科教授の岩田健太郎さんが「レプリコンワクチンの接種は待ったほうがいい」と主張しネット上で大きな話題となりました。 岩田さんと言えば、コロナ禍初期にダイヤモンド・プリンセス号での感染対策の不備を動画で告発し、大きな注目を集めた方です。その後も感染症の専門家の立場から政府のコロナ対策などについて発言を続けたほか、コロナワクチンについても接種を推奨されていました。 その岩田さんが、「週刊プレイボーイ」のニュースサイト「週プレNEWS」のインタビュー記事において、記者の質問に答えるかたちで、「あくまでも個人的な意見ですが、僕は待ったほうがいいと思います」と発言されたので、「手のひら返し」として話題になったのです。 岩田さんはあくまで「レプリコンワクチンも第3相試験という臨床試験で有効性と安全性は確認されています」としつつ、「少なくとも現時点では、既存のワクチンに代えてレプリコンワクチンを選択する理由がない」としています。以下、岩田さんの記事から引用します。 「まず、接種者の体内で抗体が作られる時間が長続きする点が果たしていいことなのかは、まだ判断できません。 逆に抗体が長持ちすることで心筋炎のような自己抗体性の副作用のリスクが高まるといった可能性もあります。 そう考えると、すでに世界中で数億人が接種し、副反応に関する大量のデータも蓄積されているモデルナやファイザーのワクチンと比べて、市場に出てから間がないこのワクチンがベターだと考える根拠は乏しい。 これは、ワクチンに限らず、すべての医薬品についていえることですが、新薬によほど明確なアドバンテージがない限り、使用実績が多くて副作用リスクのデータも十分にある従来の医薬品を優先して使うのが合理的だと思います」(週プレNEWS「誤情報が拡散するレプリコンワクチン 有効性と安全性は確認されていても、なぜ専門家が『現時点では選択する理由がない』と話すのか」2024年11月11日) ワクチン接種を受けた人から感染「シェディング」 つまり岩田さんとしては「既存のコロナワクチンは安全性が確立されているので、あえて新ワクチンを打つ必要はない」という意見だったようです。 ただ、本書で何度も指摘しているように、既存のワクチンの接種により申請ベースで2200名以上の方が亡くなっています。既存のワクチンも十分危険ではないでしょうか。 ちなみに記事の中で岩田さんはいわゆる「シェディング」はあり得ないこととしています。「シェディング」とは、ワクチン接種を受けた人から、別の人に、コロナウイルスもしくはスパイクタンパク質が感染する現象を指します。 先述したように、レプリコンワクチンは、既存のワクチンと異なり、接種したmRNAが自己増殖するという特徴があります。そのため、ワクチンを接種した人の体内でスパイクタンパク質が大きく増加し、他人に感染する可能性を指摘する人もいます。 「シェディング」が本当に起きるかどうかについては、諸説あります。ワクチン反対派の中にもシェディングについては否定する方が多いため、今後の研究がまたれるところです。 レプリコンワクチンの問題の本質は、シェディングが存在するかどうかではありません。既存のワクチンと同様に副反応被害が発生するかもしれないという点にあるのです。シェディングの有無よりも、接種によって健康被害が起きるかどうかを論じるほうがいいと思います。 『「人流削減」を提言した医師が「私は飲食店の自粛を要請したことはない」…コロナ禍の責任逃れを続ける医師という「戦犯」』へ続く。 【つづきを読む】「人流削減」を提言した医師が「私は飲食店の自粛を要請したことはない」…コロナ禍の責任逃れを続ける医師という「戦犯」