石破総理の続投か、退陣かをめぐる攻防は第2ラウンドへ動いています。 究極の手段として「リコール」もありえるのでしょうか? 【写真を見る】決め手を欠く「石破おろし」内閣不信任案に“リコール規定”は?過去には「麻生おろし」に「森おろし」も【サンデーモーニング】 自民党内で続く「石破おろし」の動き 石破総理は続投を表明 臨時国会が召集された8月1日(金)。 勢いづくのは、参院選で議席を伸ばした野党。衆参で少数与党となった石破政権にどう揺さぶりをかけるのか… 立憲民主党 野田代表 「(石破総理が)続投するならばこれまで言ってきた政策の修正があってしかるべき。内閣不信任案を出すことがいいのかどうかなども含め総合的な判断をしなければいけない」 そして、自民党内でも収まらないのが“石破おろし”の動き。 先の総裁選にも出馬した茂木前幹事長も… 自民党 茂木敏充前幹事長の公式YouTubeでのコメント 「衆議院選で負けた、都議選でも過去最低の議席、そして今回3連敗。スリーアウトチェンジみたいな状態」 そんな中、7月28日(月)自民党本部で開かれたのが、両院議員懇談会。 石破総理は、改めて続投の意欲を示します。 石破茂総理 「決して政治空白を生むことがないように責任を果たしてまいりたい」 これに対し、退陣を求める議員らの発言が相次ぎ、懇談会は4時間半に及びました。 決め手に欠ける「石破おろし」過去には… 石破おろしが決め手を欠く中、旧茂木派の議員などから出てきた次の一手が…。 自民党 笹川博義議員 「やはりその場というのは両院議員総会ということになる。(署名が議員の)3分の1を超してますから」 「両院議員総会」でさらに退陣圧力を強める考え。この手段は、過去の“総理下ろし”でも使われたことがありました。 麻生太郎総理(2009年7月 当時) 「私の願いは一つ、ぜひここにおみえの衆議院議員の立候補予定者は全員そろって帰ってきていただくことであります」 2009年のいわゆる“麻生おろし”。支持率が低迷した麻生総理のままでは選挙を戦えないという空気が党内を覆うなか…当時、農水大臣だった石破氏も、“麻生おろし”に加わっていました。 この時、総裁選の前倒しを目指した議員らが求めたのが「両院議員総会」。 自民党 原田令嗣 衆院議員(2009年) 「堂々と両院議員総会を開かないんでしょうか。ここは私は納得できません」 その開催に必要な所属議員3分の1以上の署名を集めたものの、当時の自民党執行部側は、要求を退けます。 そして今回の“石破おろし”。旧茂木派の議員らが同様に「総会開催」を求める署名集めを進める中、石破執行部は、その開催を決めたのです。 では、「総会」が開かれれば何が動くのか。党則では、「特に重要な事項」を決定することができるとされていますが、政治ジャーナリストの後藤謙次さんは、執行部側が先手を打ったと指摘します。 政治ジャーナリスト 後藤謙次さん 「(両院懇談会の)冒頭で、執行部が「両院議員総会が仮に開かれても総裁を解任できる規定はありません」と言ったわけです。冒頭にやっているのは、まさに森山幹事長を中心にした執行部の戦略だった」 「党則に総会で総裁を辞めさせる規定はない」との説明。 ならば他に方法はあるのでしょうか。 事実上の“リコール規定”に言及する議員も。国会議員らの過半数の要求で、総裁選を前倒しで実施できる規定です。 この規定ができた“きっかけ”とされるのが…。 自民党 谷垣禎一衆議議員(2000年) 「大将なんだから、大将なんだから加藤先生は!」 2000年、当時の森総理に退陣を迫ったいわゆる「加藤の乱」。 加藤元幹事長らは、野党が提出した内閣不信任案に同調する形で「森おろし」を狙うも、不発に終わったのです。 政治ジャーナリスト 後藤さん 「森内閣の支持率が非常に低くて、森おろしが出てきた。そのときに(総理をおろす)ルールが全くきまってなかったので、やれるというルールを小泉総理の時代に完成する」 では、この“リコール規定”によって、“石破おろし”は現実味を帯びるのか…後藤さんは「そう簡単ではない」と指摘します。 政治ジャーナリスト 後藤さん 「(“リコール”)署名をやるということはクーデター宣言。(名前が)残ると次の人事とか選挙とかに執行部サイドからガンガンやられる可能性がある。そんなの怖くてやれない」 退陣を迫る側と、迎え撃つ執行部側、双方が決め手を欠く中、どう決着するのでしょうか。