約２０年前、国会議員らが幕末の志士を演じた劇が東京で披露された。 「平成幕末世直し劇」。この劇でちょんまげ姿に扮（ふん）した政治家たちをとらえた写真展が７〜１３日、兵庫県尼崎市東難波町５の画廊喫茶「蜜」で開かれる。展示の中には、今の政界のキーパーソンの姿もある。はたして令和に〈世直し〉はあるのか——。（高部真一） 劇は、政財界に顔が広いイベントプロデューサーが代表を務めるＮＰＯが企画。閉塞（へいそく）感を打破しようとした狙いがあったという。１９９９年から２００７年まで隔年で計５回、東京の明治座や日比谷公会堂で開催された。坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作といった、幕末の志士らの思いをテーマにした。政治家のほか、ベンチャー企業の経営者や政治評論家らも舞台に立った。 主催者の依頼で劇の様子を撮ったのは、国内外で活動する写真家の長島義明さん（８３）（神戸市東灘区）。自らも、龍馬を撮影したことで知られる幕末の写真師・上野彦馬役で出演した。 展示写真には、西郷を演じた野田佳彦・立憲民主党代表や、枝野幸男・同党元代表、高市早苗・前経済安全保障相、河野太郎・前デジタル相、河村たかし・日本保守党共同代表らが志士らになりきり、ポーズをとる姿がおさめられている。 バブル経済崩壊後の「失われた３０年」とされる時代は続く。長島さんは「今の政治の混迷は、当時と共通点がある」とし、「『世直し』ができたかどうかはわからないが、時代の記録として見てもらい、今後の政治家たちの動向に注目してほしい」と話している。 午前７時〜午後５時（土曜と祝日は午前中のみ営業、日曜休み）。問い合わせは「蜜」（０６・６４８１・３６２９）へ。
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