【ポースコール（英）＝平地一紀】３日に英南西部ポースコールのロイヤル・ポースコールＧＣ（パー７２）で行われた女子ゴルフの今季メジャー最終戦、ＡＩＧ全英女子オープンの最終ラウンドは、山下美夢有が３バーディー、１ボギーで回り、通算１１アンダーでメジャー初制覇を達成した。 　日本女子のメジャー制覇は６人目（７度目）で、全英女子を制するのは２０１９年の渋野日向子以来。 　２位と１打差の首位で出た山下は、２日目からのトップを守り、今季から本格参戦した米ツアーでの初勝利をメジャーで飾った。優勝賞金は１４６万２５００ドル（約２億１６００万円）。 　勝みなみが９アンダーで、チャーリー・ハル（英）と並んで２位に入り、竹田麗央は７アンダーの４位。４月に今季メジャー初戦のシェブロン選手権を制した西郷真央は１１位で、古江彩佳と畑岡奈紗は３３位だった。 ◇ 　山下の記者会見での主なコメントは次の通り。 ——今の気分は。 　「目標としていたメジャー大会で優勝できて、とてもうれしい」 ——首位に立った第２ラウンドの朝は天気が穏やかだった。スコアを伸ばすのにいい日になると思ったか。 　「風があるのとないのとでは全然、コンディションが違う。その中で七つスコアを伸ばせて、いいラウンドになった」 ——（全英女子初開催の）ウェールズについて事前に知っていたことはあるか。 「（周辺に牛や馬、羊など）動物がすごく多いこと。自然の中で過ごしているように思っていた」 　——近年、日本勢のメジャー優勝が相次いでいる。 　「西郷選手が今年優勝して、すごいなって思っていたし、いい刺激をもらっていた。私も優勝することができ、とても良かった」 　——２０１９年に優勝した渋野選手に憧れたそうだが。 　「渋野選手の優勝はテレビで見ていた。メジャー大会は特別で、本当に優勝するのは難しいし、勝てば自信になると思っていた。こつこつやってきたことで達成できたのは良かった」 　山下のキャディーを務めたジョン・ベネット氏「美夢有の技術面は完璧。（スコアを二つ落とした）第３ラウンドは、５、６オーバーにもなりうる難しい状況でうまくプレーした。『まだ順位表の一番上だから前向きにいこう』と伝えていた」 　やました・みゆう　大阪府寝屋川市出身。５歳でゴルフを始め、大阪桐蔭高３年時の２０１９年にプロテストに合格。２１年にＫＫＴ杯バンテリンレディスで初優勝。２２年は国内メジャー２勝を含む５勝を挙げ、史上最年少の２１歳１０３日で年間女王に輝いた。２３年も５勝して２年連続の女王に。２４年のパリ五輪は４位。米ツアーには２５年から本格参戦した。身長１メートル５０。