ゴルフのメジャー、ＡＩＧ全英女子オープンで初優勝した山下美夢有（２４）＝花王＝が５日、成田空港に帰国し、日本記者クラブで行われた会見で勝利の喜びを語った。また、これまで支えてくれた家族への思いを語り始めると号泣。涙を浮かべながら感謝を口にした。８日には北海道の札幌国際カントリークラブで開幕する国内ツアー、北海道ｍｅｉｊｉカップに出場する。 　明るく、おだやかな雰囲気で質問に答え続けていた山下が突然、声を詰まらせた。３人一緒にゴルフを練習してきた弟でプロゴルファーの勝将（まさゆき）、妹・蘭さんとの思い出を述懐し「私が試合でいないことが多かったけれど、一番身近でサポートしてくれた。迷惑かけてしまった部分もあったりしたけど…」と感極まり涙。両親らを含め「結果で恩返しできてうれしい」と感謝のＶ報告に実感がこもった。 　家族の支えあってこその栄冠だった。父・勝臣さん（５０）はゴルフ未経験者ながら、５歳で競技を始めた娘とともに練習。山下は「技術はもちろん私の方が上」と、スコア１００前後の父に反抗的な態度を取ってしまうこともあったという。それでも「信用している」と最終的に納得し、ぶつかることはなかった。 　米ツアーに本格参戦して１年目。身長１５０センチと小柄な山下は飛距離の壁にぶつかり「もっと伸ばしたい」と悩んだ。そんな暗闇を払ったのも「どうやったらバーディーを取れるか、スコア作りの方を考えた方がいい」という父の進言。迷いが消え、武器であるショットの正確性と小技に磨きがかかり、日本女子勢で６人目（７度目）のメジャー制覇につなげた。 　記念色紙には自身の名前にもある「夢」を揮毫（きごう）。「お父さんとお母さんが選んでくれたこの名前が大好き」と山下。家族とともに新たな夢に向かって突き進む。