夏の風物詩、花火大会でLEDで光る「ドローン」が演出する幻想的なショーの開催が増えています。その狙いとは? 【写真を見る】花火大会で「ドローンショー」なぜ増えた?“会場が一体になる”新しい試みも【THE TIME,】 花火大会で“史上初”のプロジェクト 「今回は史上初となる、お客様も参加する過去に類を見ないようなプロジェクトになっている」 ドローンショーを運営する『株式会社レッドクリフ』の三浦真二郎プロデューサーが胸を張るのは、北海道小樽の夏を代表するイベント「おたる潮まつり」。 ショーに使うドローンはなんと1350機とのことで、果たして来場者参加型のショーとは…? 夜空に飛び立つ赤や青など様々な光の粒。それが集まりオロナミンCのボトルや音符などを描いていきます。 そして、「元気ハツラツ! 大空大合唱」という文字もドローンが表現。 音楽が流れ、歌詞も夜空に出てきました。 ♪しんぱいないからね きみのゆうきが だれかにとどく あしたはきっとある そう、史上初の試みとは来場者と大合唱すること。会場が一体となり花火を見上げ、そしてドローンショーを楽しみ一緒に歌う— 会場には大きな歌声が響き、手を振ったり体を揺らしたりしながらみなさん大盛り上がりの様子でした。 「幻想的だった」 「空に本物の映像が浮かび上がるみたいですごい素敵だった」 「来年も来たい」 花火大会で「ドローンショー」なぜ? ドローンショーを導入する花火大会は他にも。 ▼「STAR ISLAND 2025」(東京・お台場)⇒花火が打ちあがる横で、ドローンの「フェニックス」が夜空に降臨 ▼「利根川大花火大会」(2024年/茨城・境町)⇒“和光”をテーマに、歌舞伎の「見得」や「龍」などをドローンで表現 ▼やつしろ全国花火競技大会(2024年/熊本・八代市)⇒ドローンが「ディズニーキャラクター」を輝く星のように夜空に大きく描く 一体なぜ、ドローンショーが増えているのでしょうか? これまで約100件の大会をマネジメントしている冴木一馬さんに聞きました。 ハナビスト(花火研究家)・冴木一馬さん: 「最近は花火大会が中止になることが多い。やはり予算的な問題で、費用が集まらない」 近年は予算の問題で多くの花火大会が中止となり、継続のために大手企業もビールの売上げの一部を使うなど支援に乗り出すほど。 そのような状況の中、導入されたのがドローンショーだといいます。 冴木さん: 「まだドローンを見たことがない人が多い。そういう意味では“ドローンショーを一緒にやると人が集まる”」 実際に、花火大会の主催者もドローンショー導入の効果を口にします。 『おたる潮まつり』運営担当・鹿角健太さん: 「お客様にも大勢来ていただいて運営側としては大成功。ドローンショーをやることで、“集客数が増える”のと“資金面の改善”。有料観覧エリアを設けているけど、より多く売れるなどの効果が出ている」 さらに、ドローンショー導入にはほかの理由もあるといいます。 冴木さん: 「ドローンショーに“スポンサーをつける”。企業広告としてドローンで文字や商品などを描いて出す」 7月26日に行われた「立川まつり 国営昭和記念公園花火大会」(東京・立川市)でも、ソーセージ会社がドローンで新商品をPRしていました。 花火×ドローン「次世代型の空中演出」 また、来場者からは「花火とドローンが一体化したステージを見てみたい」という声も聞かれましたが、実は“花火を搭載したドローン”もすでにあります。 ドローンがロケットの形を描き、噴射炎を花火で表現。夜空を羽ばたく鳥の翼から花火が放たれるー。 このようなパフォーマンスが、いくつかの花火大会で披露され始めています。 時代にあわせ進化する花火大会。今後はどのような仕掛けが夜空を彩るのでしょうか。 (THE TIME,2025年7月31日放送より)