埼玉・行田マンホール転落、マスク未着用は「現場の判断」…土木会社が繰り返し説明

 埼玉県行田市で下水道管を点検中の作業員4人がマンホールに転落して死亡した事故で、作業を受注した土木会社「三栄管理興業」(さいたま市浦和区)は5日、報道各社からの質問に対する回答を公表した。  安全管理体制について、4人が酸欠を防ぐマスクなどを着用せず作業にあたったのは「現場の判断」と繰り返し説明した。  現場では、点検前に実施したポンプによる排水作業で、下水管内の汚水がかくはんされ、有毒な硫化水素の濃度が急上昇したとみられる。4人の転落が確認された際には、作業が許容される基準値の15倍超に達しており、県警はいずれも硫化水素中毒が原因で死亡したとみている。  同社の回答によると、現場では酸欠を防ぐ「送気マスク」を準備していなかった。「このような作業の場合、用意することはルール」と説明する一方、「前回(7月)同じ場所で作業した際、硫化水素濃度等に問題がなく、持っていかなかったと報告を受けた」と、現場の判断であることを強調した。転落防止のための安全帯も身につけていなかったが、「熱中症対策として、現場の判断でつけていなかった」と答えた。  市は5日、同社が6月に提出した業務計画書を公表した。作業での安全管理の方針などが盛り込まれている。墜落や有害ガス発生などを予測し、事故が起きないよう対処することや、安全帯など保護具に関する安全教育を実施することなどを明記していた。 知事、法令順守徹底を周知へ  作業員4人の転落事故を受け、大野知事は5日の定例記者会見で、点検業者が法令順守を徹底するよう県内の各市町を通して周知する考えを示した。  事故が起きたのは行田市が管理する下水道管で、作業員は市の発注を受けて点検していた。県は、県が管理する管の点検業者に対しても、安全確保を改めて求めるという。  大野知事は「これから老朽化で下水道管の更新や点検が増えるだろう。国にも徹底した措置と指導をお願いしたい」と述べた。 労基署、事故現場を調査  行田労働基準監督署は5日、事故現場への立ち入り調査を行うなど、原因究明と労働安全衛生法など関係法令の順守状況の確認を進めていることを明らかにした。  三栄管理興業に対する調査も実施し、法令違反がなかったかなどの検証を行うとみられる。

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