人口の3%…外国人“最多”、やがて10%に? 増加ランキング 市区TOPは大阪、町村は北海道のあの町【#みんなのギモン】

外国人住民の数が増え続け、日本の総人口の約3%を占めるほどになりました。そう遠くない将来に、10%になるという指摘もあります。増加数が多い自治体のランキングも公表されました。共生に向けて工夫する自治体や住民らの取り組みを紹介します。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「外国人住民“最多” 心配は?共生は?」をテーマに解説します。 ■人口の推移 日本人は過去最大の減少 小林史・日本テレビ解説委員 「総務省が、今年1月1日時点の日本国内の人口を発表しました。日本人は去年から約91万人減り、過去最大の減少となりました。一方で、日本に住む外国人の数は増え続け、去年よりも約35万人増え、調査開始以来最も多い、約368万人となりました」 「日本の総人口に占める割合では、約3%が外国の人々ということになっています」 鈴江奈々アナウンサー 「コンビニエンスストアだったり飲食店だったり、そういったところで働いていらっしゃる方もいますし、一緒に暮らしているなっていう感覚が最近ありますよね」 桐谷美玲キャスター 「私は犬の散歩をしていると、同じように犬を連れた外国の方によく会うようになって、住んでいる方も増えているんだなと感じますね」 ■外国人住民の数が増えた自治体は? 小林解説委員 「日本のどのあたりで、暮らしている外国人の方が増えているのでしょうか? 外国人住民が増えている自治体のランキングも公表されています」 「比較的大きな市や区の増加数を見ると、1位は大阪市で、去年よりも約2万人住む人が増えています(2位は神奈川・横浜市、3位は愛知・名古屋市、4位は福岡市、5位は京都市)」 「町や村などの比較的小さな自治体のランキングでは、5位が茨城・八千代町、4位が同じく茨城の利根町、3位が長野・白馬村、2位が群馬・大泉町となっています。1位が北海道・倶知安町で、去年よりも833人増えています」 ■俱知安の外国人住民、なぜ増えた? 忽滑谷こころアナウンサー 「観光・ウィンタースポーツなどで訪れる方が多い印象がありますが、実際に暮らす方が倶知安町で増えている背景は何かあるんですか?」 小林解説委員 「7日、倶知安町の役場の方にお話を伺いました。最大の要因は、やはりパウダースノーということです。倶知安町があるニセコエリアは世界的に名の知れたスキーの名所ですよね」 「2000年代にはオーストラリアからたくさんの人が訪れるようになり、世界中に口コミでパウダースノーの魅力が拡散されました。そして2010年代からは、アジアからのスキー客も急増したということです」 「中にはスキー場やホテルで働く人たちも多く、倶知安町では一時滞在の人たちも含めると、冬場は最大2000人ほど外国人の方が増えるということです」 森圭介アナウンサー 「土地の価格の推移を見ても、このニセコエリアは本当にずっと上がってました。住んでいる方が833人増えたわけで、泊まっている方も合わせると、一時的にはものすごい多いなと、地元の方は思うでしょうね」 ■お互いにどう思っている?…調査 小林解説委員 「これだけ急速に増えたので、倶知安町では外国人住民と日本人住民の双方に、共生のためのアンケート(2023年度)を行いました。すると外国人住民の91.6%が倶知安町は『住みやすい』『とても住みやすい』と回答しました」 「そして日本人の住民に、外国人住民とのご近所トラブルがあったかどうかを聞いたところ、『特にない』と答えた人が半数以上の57.7%に上っています」 「ただ、中にはトラブルを経験したという人も。例えばゴミ出しのルールや駐輪・駐車、除雪、部屋からの声や物音でトラブルになったという声があります。『夜12時頃までパーティーで盛り上がっていて、大声が聞こえた』といった経験談もありました」 「生活習慣の違いなどからくる、身の回りのトラブルというのが多いようですね」 森アナウンサー 「日本人でもありますけどね…」 ■千葉・富里市の外国人向けマニュアル 鈴江奈々アナウンサー 「新たに入ってくる人たちからすると、その地域のローカルのルールや文化はなかなか知らないと思います。そういったところでトラブルはつきものだと思いますが、お互いを知る取り組みというのも重要になってきますね」 小林解説委員 「増え続ける外国人の住民などに向けて、7月にマニュアルを作って配り始めた自治体もあります。千葉・富里市が作った外国人のための生活マニュアルですが、やさしい日本語・英語・ベトナム語・シンハラ語の4つの言葉で書かれています」 「あまり聞きなれないですが、シンハラ語というのはスリランカの言語です。この富里市では、外国人住民で最も多いのがスリランカ人だということです」 「マニュアルの中では、やはり騒音やゴミの分別が分かりづらいということで、日本語が分からない人たちのためにも、多言語対応のアプリも紹介されています」 「外国人の一部には、なかなかルールやマナーを学ぶ機会がないので、富里市では市内のレストランやお店にこういったマニュアルを置いてもらっているということです」 ■西葛西に47年前に移住、トラブルも 小林解説委員 「また、時にはトラブルを乗り越えながら共生を目指してきた地域もあります。東京・江戸川区は、日本で最も多くインド人が住んでいる自治体です。中でもインド人コミュニティーが広がる西葛西には、移住してくるインド人にアドバイスをしてくれる先輩がいます」 「47年前に移住し、“リトルインディアの父”と呼ばれるチャンドラニさんです。当初はトラブルも少なくなかったと振り返ります」 チャンドラニさん 「みんな一緒に集まって食べたり、話したり、音楽を聴いたり、場合によっては踊ったりするから、『11時過ぎに何やってる騒いで!』と相談はあった。我々も合わせていかなければならないと説明すると、大半の方は理解して努力する」 ■“父”に聞く…共生のヒントは? 小林解説委員 「チャンドラニさんに、共生のヒントを聞いてみました」 「先に来た外国人が後から来た人に、角が立たないように早め早めにアドバイスをすること。日本のルールを知らないため、気を使って自ら考えて調べること。そして地元の人たちと交流しながら壁を取り除くための日頃の努力が、何よりも大切だと話していました」 鈴江アナウンサー 「お互いの違いを知るというところから、共生が生まれるのかもしれないですね」 小林解説委員 「日本に暮らす外国人の数は、予測をはるかに超えるスピードで増えていて、そう遠くない将来、人口の10人に1人が外国人になるとも指摘されています」 「生活習慣や言語の違いをマイナスと捉えるのではなく、互いに学び合い、違いを乗り越えるチャンスだと捉えることが、共生できる社会への第一歩となるのではないでしょうか」 (2025年8月7日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より) 【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)

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