前線が停滞した影響で、鹿児島県は７日夜から８日午前にかけて非常に激しい雨に見舞われた。 気象庁は８日午前５時、「数十年に１度の重大な災害の危険が迫っている」として、鹿児島県霧島市に「大雨特別警報」を発表し、最大級の警戒を呼びかけた。これを受け、霧島市は市内全域の約６万３０００世帯、１２万２０００人に、避難情報で危険度が最も高い「緊急安全確保」を出した。 同庁によると、鹿児島県薩摩地方では午前１時頃と午前４時４０分〜同５時半に、短時間に大雨をもたらす「線状降水帯」が計４回発生した。霧島市では８日午前９時２０分までの２４時間降水量が５１５・５ミリに達し、観測史上最多を更新。平年の８月の１か月分を超える降水量となった。 国土交通省によると、８日午前５時半時点で、鹿児島県姶良市を流れる別府川が氾濫し、流域の浸水が確認された。また、同県の鶴田ダムと宮崎県の岩瀬ダムでは、下流へ流れる水量を減らす洪水調節が行われた。 鹿児島県姶良市と霧島市では土砂崩れで国道が通行止めとなり、九州道と東九州道も雨量基準を超えた一部区間で通行止めとなった。空の便も、鹿児島空港発着便を中心に欠航が相次いだ。 今回の大雨は、九州地方に停滞する前線に東シナ海から暖かく湿った空気が流れ込んだことが要因とみられる。９日午前６時までに予想される２４時間降水量は多い所で、九州南部が２００ミリ、北部が１２０ミリ。 前線は今後２、３日間、西日本付近に停滞する見通し。九州南部では１０日にかけて、北部では１１日にかけて警報級の大雨になる可能性がある。
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