鹿児島県に大きな被害を出した線状降水帯。8日夜も再び激しい雨が降っていて警戒が必要です。 報告 「霧島市に来ています。午後8時半過ぎから、また大粒の雨が降ってきました」 喜入友浩キャスター 「午後8時過ぎの鹿児島県姶良市です。雨そして風も強くなってきました。大粒の雨で視界も悪くなっています。地面にかなりの量、打ち付けていますので、周囲の音も聞こえないくらいです。再び雨が降り始めました」 8日未明に鹿児島県を襲った記録的な大雨。各地で被害が相次ぐ中、夜になって再び雨脚が強くなってきました。 周辺住民 「何かあったら、すぐ避難しようと」 「こっちの網掛川とかが決壊したら、いくらかまた水かさが増えれば不安」 鹿児島県では、未明から2回にわたり線状降水帯が発生。 動画の撮影者 「道路は完全に川のようになって膝くらいの高さまで水が来ている。こちらのお店も床下まで水が来ています」 8日午前5時には、霧島市に5段階の大雨警戒レベルで最高の「5」に相当する大雨特別警報が発表されました。 鹿児島県では1時間に姶良市で111ミリ、霧島市で107.5ミリ、鹿児島市で91ミリの猛烈な雨が観測されました。 姶良市では裏山が崩れて、住宅1棟が全壊しました。 当時、この家には母親と姉妹の3人がいたとみられ、母親と次女は救助されましたが、30代の長女と連絡が取れていません。 長女は新聞配達の仕事をしていて、この日も午前4時半ごろ、出勤する予定でしたが、姿を見せなかったといいます。 女性の勤務先 新聞販売店所長 「5時になっても来ないから、もうおかしい、明らかに何らかの状態で来られないんだろうなと」 警察と消防は長女が取り残されている可能性がある住宅を捜索。 女性の伯母 「もう早く見つかってほしい」 しかし、見つからないまま、この日の捜索は終了しました。 さらに、各地では川の氾濫も。 霧島市と姶良市では一時、4つの川で氾濫危険水位を超えました。そのうちの1つ、姶良市を流れる網掛川では道路にあったとみられる車が転落していました。 周辺住民 「朝6時くらいに見た時に崩れていた。車がこんなに落ちているとは思わなかった。今、見てびっくり」 午前中に網掛川をドローンで撮影した映像。 川岸に複数の車が止まっているその先で護岸が崩れ、1台はかろうじて道路に留まっていたものの、もう1台は転落していました。 喜入キャスター 「あちら川の護岸が削られ崩れてしまっています。橋の近くにある信号の柱も根元から傾いています。街のすぐ近くです」 喜入キャスター 「Q.川が茶色く濁って近くには土砂が堆積してますが、普段からあのような状況?」 近隣住民 「これはないです。一晩で堆積しました。激しい降り方で、とにかく台風の時以上の印象を受けました。激しい雨音と言いますか」 増水により橋も流されました。 喜入キャスター 「こちらは橋が崩落しています。これより先は進むことができません。目の前の電柱も落ちてしまっていて、かなり低いところまで電線が下がってきています。橋の真ん中より先は川に流されているような状況です」 市民生活にも影響が及んでいます。 住民 「(水が)ぜんぜん出ない」 喜入キャスター 「いつから出ない状況ですか?」 住民 「もう今朝からです」 霧島市と姶良市で分かっているだけで、およそ3万4000戸で断水が発生しています。 住民 「買ってきた水を飲んだんだけどね」 喜入キャスター 「暑いですからね」 住民 「お風呂入れないしね」 報告 「姶良市では給水が行われています。ざっと数えただけでも、その列300人以上となっています」 給水を待つ間にも、雨脚はさらに強まります。 住民 「水が出なくて料理とか、いろんなことができなくて大変だなって思いました」 「7リッターを3袋分持ってきましたけど、夜降るって聞いてるので、ちょっとそこだけ心配ですかね」 大雨は関東でも… 報告 「突然あたりが暗くなり、時折、稲光が確認できます」 そのわずか数分後、雷鳴とともに、急な激しい雨が人々を襲い、駅では多くの人が雨宿りをしていました。 急な雨は都心でも…駅のホームには雨が吹き付け。 一時、大雨警報が発表された板橋区では、激しい雨に自転車から降りて歩く人も。 さらに雷雨とともに激しかったのが、台風のような風です。午後5時すぎに最大瞬間風速19.4メートルを観測した栃木県・宇都宮市。市内の会社の倉庫では、積まれた一斗缶が強風で飛ばされました。 各地を襲った天気の急変。3連休も西日本から東日本の広い範囲で警報級の大雨となる可能性があり、注意が必要です。