千葉県にあるファイターズの2軍本拠地の移転についてです。 候補地とされた北海道内のマチでは署名活動が始まるなど、誘致運動が本格化しています。 果たして、どのマチが誘致に成功するのでしょうか。 「育成できる拠点を北海道に」早くも誘致本格化 パ・リーグの首位争いを続けるファイターズ! 狙うのは9年ぶりの優勝です。 本拠地・北広島市のエスコンフィールドは盛り上がりを見せていますが、試合以外で今注目されているのがー (北海道日本ハムファイターズ 栗山英樹CBO)「本当の意味で育成をできる拠点をこの北海道に作らせてもらいたい」 千葉県鎌ケ谷市にある2軍本拠地の道内移転です。 施設の老朽化や1軍との距離が長いのが課題となっていました。 その移転先の候補に挙がったのが… (ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発本部副本部長)「(候補は)札幌市・北広島市・恵庭市・江別市・千歳市・苫小牧市の6つでございます」 そのうちの1つ・恵庭市です。 (期成会)「ファイターズを恵庭市へゴー!」 会見のわずか2日後に、誘致のための期成会が発足しました。 (恵庭市 原田裕市長)「機会があれば日本ハムと話をして内容や希望などを話し合いたい」 誘致に向けマチの一体感を高めようと、のぼりやポスターを配り、スピード感を見せました。 (麺屋かわはら 前山俊夫代表)「マチが賑やかになればいい。お店の中でできることがあれば、そういうことは協力させていただきたい」 そんな恵庭市には、候補地として浮上している場所があります。 (北本アナウンサー)「JRの駅が見えています。その右上には国道36号線が走っています。交通アクセスはかなりいい恵庭のエリアですが、住宅に隣接する形で緑が広がっています」 2軍の本拠地は、屋根無しのメインスタジアムを中心に、商業施設や宿泊施設などが建設される予定です。 球場を軸としたマチづくりが想定される中、恵庭市では市有地などを含めた「西島松」エリアが、広い土地とアクセスの良さから候補地に適しているとされています。 恵庭市の期成会は道の駅で署名活動を始め、すでに1万人分を集めました。 (署名活動)「恵庭にファイターズ来てほしいですね」 (市民)「そうだね」 署名活動に参加していたのは、中学生の野球チーム「恵庭市リトルシニア」。 誘致活動を盛り上げたいと名乗り出たそうです。 リトルシニアの練習場所は、候補地の1つとされる西島松エリアのすぐ近く。 プロ野球を夢見る子どもたちにとって、2軍の移転には期待が膨らみます。 (恵庭市リトルシニア 酒井颯太キャプテン)「とてもわくわくしています。僕はファイターズジュニアだったので、大人になってファイターズの選手になって、そこの球場で練習をしたいです」 「北広島市に負けてられない」いち早く動き出した江別市 (署名活動)「ファイターズファーム誘致の署名活動にご協力をお願いします」 誘致に向け、いち早く動き出したのが江別市です。 2025年5月に商工会議所などが中心となり期成会を設立。 市の一大イベント「えべつやきもの市」で署名を集めました。 (江別市民)「もう絶対(2軍を)引っ張るぞみたいな」 (江別市民)「江別市全体が盛り上がってほしい。北広島市に負けてられない」 (江別ファイターズ誘致期成会 下畑英二事務局長)「若い選手たちと一緒になってこのマチを活性化していく意味では、千載一遇のチャンスがきたというふうに考えています」 地元にプロ野球チームをー その思いは市長も同じです。 (江別市 後藤好人市長)「来てほしいですよ、夢のある話ですから。これは多くの方々の夢でもあると思うので、そういう人にとっていい話題になる」 2軍誘致に本格的に動き出した恵庭市と江別市。 札幌は広い土地がなく難航… さらに、苫小牧市でもー (苫小牧市 金澤俊市長)「できるだけ人が往来しやすい所に、あるいは人が集まりやすい所という風に考えるのがある意味当然。駅前も含めていくつかの候補地を考えている」 金澤市長が2軍誘致の意向を表明。 すでに複数の候補地を検討していて、再開発計画が進められているJR苫小牧駅前もその1つだと述べました。 各自治体が誘致合戦に名乗りを上げる中、札幌市はー (札幌市 秋元克広市長)「例えば既存施設があってその跡地を利用するとなると、それを壊すとか時間が掛かりますので、ある意味更地でまとまった土地というのはなかなか難しいという現状にはあります」 秋元市長は、広い土地がなく難航していると述べました。 札幌市は1軍の本拠地移転の時も月寒ドーム跡地や真駒内公園などを候補に挙げましたが、住民らから反対の声があがりました。 今回の誘致も苦戦を強いられているようです。 このほか、北広島市と千歳市は道内移転を歓迎しつつも、誘致について積極的な態度を示していません。 先行事例は福岡!市民と一体になり誘致 では今後、2軍の本拠地はどのようにして決まるのか。 そのヒントとなるのが福岡県筑後市です。 2013年に34の自治体の中からソフトバンクホークスの2軍移転地に決まりました。 商業施設などを備えた2軍の誘致で、観光客が年間およそ10万人も増えたほか、選手と市民の交流も生まれたといいます。 (筑後市ホークスファーム連携推進担当 水田進さん)「定住人口も観光客も人が来ること住むことで税収も上がり、経済効果もあるし、マチに活気が生まれたことは大きい」 誘致にあたり、球団から札幌のプレミストドームとほぼ同じ4万~6万平方メートルの広い土地があるなどの条件が示されましたが、市民と一体になった誘致活動を進めたことが大きかったと話します。 (筑後市ホークスファーム連携推進担当 水田進係長)「マチ全体で球団を歓迎したいという思いが届かないと。少し雰囲気が違うぞとなるとよろしくないので、全体でウェルカムですという雰囲気を出すのがポイント」 ファイターズの2軍本拠地は2027年ごろの着工を目指しています。 果たして、どのマチが誘致を決めるのかー 時間はそれほど残されていません。