【第11回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:島国だからこそ船旅を満喫しよう

相模湾にある『初島』へ 日本には1万4000以上の島があるそうです。ほとんどは無人島ですが、400あまりの島には人が住んでいます。となると、北海道や本州、四国、九州の4島と連絡する交通手段が必要になってきます。 沖縄本島のように飛行機で行ける島、神奈川県の江ノ島のように橋で結ばれている島もありますが、多くの島は船でアクセスすることになります。 初島に到着する「金波銀波」。 森口将之 とはいえ陸上メインで動いていると、なかなか船に乗って島に行く機会がありません。クルマ好きはそういう人が多いのではないでしょうか。 そんな僕に富士急行から、静岡県熱海市にある初島へのプレスツアーの案内が来ました。熱海市の中心部から10kmほど離れた相模湾にあり、一周4kmほどという小さな島です。 富士急行というと、富士急ハイランドのように、富士山の山梨県側でバスや鉄道、レジャー施設の運営などをしていることが有名ですが、最近はクルマ好きであればおなじみの箱根で、芦ノ湖の遊覧船や十国峠のケーブルカーなどの運行も手掛けています。 初島についても以前から高速船を運航しているほか、島内の観光施設のいくつかも運営しているとのことで、それらを体験するプレスツアーでした。 船が出発する熱海港は、ホテルが立ち並ぶ海水浴場『熱海サンビーチ』から1kmほど南にあります。駐車場があるのでクルマでもアクセスできるし、熱海駅からバスも出ています。 今回乗った高速船は、既存の船をリニューアルしたもので、日の光や月の光によって金色や銀色に美しく輝く波の様子を表した、『金波銀波(きんぱぎんぱ)』という名前がついています。 コンセプトは『船まるごと初島』 デザインはこれまでも鉄道や船、駅などを多く手掛けており、グッドデザイン賞の審査委員も務める川西康之さんが担当。僕も同じ審査委員として何度もお会いし、作品も目にしてきているので、彼の新作を見たいという気持ちもあり、プレスツアーに参加しました。 外観は、『初島の岩石』をモチーフにした黒をベースに、日本では熱海で初栽培されたと言われているレモンの『黄色』をアクセントとして入れており、観光船としてはかなりクールかつインパクトがありました。 初島の緑と樹木をイメージした船内。 森口将之 船内は造形も配色も島にいるような感覚で、『船まるごと初島』のコンセプトどおりでした。竹馬風ベンチや人工芝の広場など、川西さんの他の作品同様、遊び心あふれる仕掛けがちりばめてあることも目につきました。 デザインにあたっては、地元の人や観光の人の声を取り入れることを心がけたそうです。観光客は海を見たい一方で、地元住民は寝転がって過ごしたい人が多いとのこと。なので、それぞれの用途に適したフロアを用意したという説明でした。 加えてやはり、窓際に座りたいという人が多かったので、床の中央部を一段上げてどこからでも海を見られるようにしたり、子どもが飽きないよう居場所をきちんと作ったり、さまざまな人のことを考えた設計にしたという説明に感心しました。 高速船なので所要時間は30分ほどですが、多彩な仕掛けがあるので、乗船時間が短すぎると思ってしまうほどでした。写真ではとても全部は紹介しきれないので、気になる人は実際に乗りに行ってみてください。 『レモン推し』の島は見どころ豊富 初めて上陸した初島は、公園やプール、グランピング、アスレチックなどいろいろ充実していて、昔行ったことのある妻曰く「ホテル以外何もなかった」島とは別物になっていました。 なかでも目立っていたのは、レモンをモチーフとしたオブジェや看板です。日本初栽培地ということでレモンを推しており、栽培も始めようとしているとのこと。船内の売店にはレモンを生かした飲み物や食べ物がいくつか置いてありました。 島内にあるアジアンガーデンR-Asia。 森口将之 それでいて島内にはさまざまな花や木が育ち、野鳥が暮らすなど、離島ならではの自然もふんだんに残っています。丘の上にそびえる初島灯台は、日本では数少ない、一般の人でも登れる灯台で、360度のオーシャンビューは希少な体験でした。 さらに初島港からすぐの海岸沿いには海の食材をメインにした食堂が並んでいて、目の前の海で獲れた海の幸を満喫できるし、砂浜はないものの海水浴やシュノーケリング、スキューバーダイビングやフィッシングも楽しめるそうです。 久しぶりに船に乗って感じたのは、クルマよりもずっと、デザインの自由度があることです。ジェット船を除けばシートベルトは不要だし、船内は広く、デッキもあるなど、いろいろなチャレンジができそうな、クリエイティブな乗り物だと感じました。 それと船には、いつもと違う場所から景色を眺められるという新鮮さもあります。今回は熱海の海岸を海から見ることができたことが印象的でした。日本は島国なのだから、もっと船に乗ろうと思ったのでした。

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