日本テレビのニュース番組では「いいね!の前に考える それって本当?」と題して、SNSなどで拡散される情報と、どう向き合っていくべきか考えていきます。 14日にお伝えするのは、アイドルグループなどになりすますSNSアカウントについてです。詐欺サイトに誘導するものも、見つかっています。 STARTO ENTERTAINMENT社がなりすましだと判断し、情報開示請求したアカウントの半数近くが、バングラデシュから発信されていたことが判明しました。 ◇ 今、SNS上にはびこるのが、本物のタレントなどのようにふるまう“なりすましアカウント”。 20代 「インフルエンサーとかが『なりすましアカウントが出ている』『こっちはフォローしないでください』(と呼びかけ)。1人じゃない」 10代 「(なりすましアカウントから)メッセージとかきたら怖い」 「本人(のアカウント)だと思って会話すると、個人情報が漏れたり、犯罪に巻き込まれたり」 こうした事態に声を上げたのが、人気グループが多く所属するSTARTO ENTERTAINMENTです。 STARTO社のホームページより 「なりすましアカウントに対して法的手続を行いましたのでお知らせいたします」 “悪質”だと判断したアカウントを対象に、「X」の本社があるアメリカの裁判所に、発信者情報の開示命令申し立てを行ったというのです。 STARTO社によりますと、その数、73に上るということです。例えば、STARTO社が“なりすまし”としている1つ。 フォロワーは7000人超え。“公式”と書かれていますが、会社とは無関係。“なりすましアカウント”だといいます。 こうした中には“犯罪目当て”とみられるものも、多数存在。 King & Princeの公式スタッフをかたる“なりすまし”アカウント。「東京ドーム公演レポ公開中」などの言葉とともに、URLが記載されていますが…。 記者 「URLを押しますと『公式中継』と書かれたページに飛びます。こちらも偽のサイトだということです」 たどり着いた先は「偽サイト」。 「ライブ視聴」のボタンを押すと、クレジットカードの情報を求められました。 ただ、たとえ入力しても、ライブ映像は見られません。 記者 「もう一度、同じボタンを押すと、同じく個人情報を入力する画面ですが、違う画面になりました」 クリックするごとに、別のサイトに誘導されるようです。 SNS上では「カード番号を入力した」など、被害を訴える声も上がっています。 10代 「ライブ終わった後とか、今やった公演撮ったとか、生中継してますとか、(リンクに)飛んで詐欺にあった人も知り合いの子にもいて、怖かったみたいです。急にお金請求されちゃって」 ◇ STARTO社によると、なりすましアカウントについてはその発信元も明らかに。73のアカウントのうち半数近くにあたる35件が、南アジアのバングラデシュから発信されていたということです。 サイバー犯罪に詳しい専門家は…。 トレンドマイクロ シニアスペシャリスト 成田直翔さん 「発信元がバングラデシュだからといって、犯罪者がバングラデシュにいるとは決して限らない。別の国を踏み台にしてアクセスしてくる。多く取り入れられている手法。別の国からアクセスしている可能性は十分考えられる」 2012年のロンドンオリンピックごろから使われるようになったという、ライブ配信をうたう偽サイト。どうすれば被害を防げるのか? トレンドマイクロ シニアスペシャリスト 成田直翔さん 「偽のライブ配信のアカウント自体、公式の写真をとってきてポストしたり、ぱっと見て本物か偽物かは難しい。公式をブックマークして、常にそこからのアクセスを心がけて」 SNS上にあるリンクは注意が必要だ、と意識すること。また、カード情報などの入力を求められたら、一度立ち止まることも大切です。 ◇ STARTO社は、なりすましアカウントなどの権利侵害に対して、今後も法的手続を講じていくとしています。