お値段から世の中の動きを読み解いていくコーナー「きょうのお値段」。今回は、男性が基礎化粧品に使うお値段「3131円」です。今、男性の化粧品市場が伸びています。女性も、男性が肌の手入れなどをすることに肯定的になっています。 【写真を見る】永田町で衝撃 “ポマード”でおなじみの政治家が身だしなみの走りだった 成長続く 男性の基礎化粧品市場「あらゆる手で老化を止める」 出水麻衣キャスター: 男性の基礎化粧品市場が拡大しています。みなさんは日ごろからお肌に気をつけていますか? 高柳光希キャスター: 私は毎晩、お風呂上りに導入化粧水、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの5種類を肌に塗っています。 出水キャスター: 星さんは若いころ(肌の手入れを)そんなにやられていなかったそうですが、最近はメイク前に化粧水を塗っているようですね。お肌に変化はありますか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 家では全くやりません。寝るだけです。 出水キャスター: ある調査によると、男性化粧品の購入金額は2024年と2019年で比べると全年代で増加しているということです。 【男性・基礎化粧品 購入金額の推移】 <20代> ・4615円(約1.8倍) <30代> ・3478円(約1.8倍) <40代> ・2777円(約1.7倍) <50代> ・2456円(約1.5倍) <60・70代> ・2424円(約1.5倍) ※インテージ調べ / カッコ内は2024年対2019年比 年代別の購入金額は20代が一番高いのですが、2024年は基礎化粧品の価格が少し値上がりした影響で、ある傾向がみられたそうです。 インテージ 市場アナリストの依田亜矢香さんによると「(基礎化粧品の値上がりで)20代は消費金額が減少したものの、ミドルからシニア世代が金額の伸びを牽引した」と分析しています。 街の男性にお肌の手入れについて聞いてみました。 55歳 「なにもしてません。若い人は結構やってるみたいですけど、おじさんはあんまり…」 48歳 「乳液だけです。それ以上はめんどくさがり屋なので」 24歳 「ファンデーション使ったりとか、寝る前にパックしたり、見た目を褒められることがちょっと多くなった」 54歳 「フェイスパックを朝晩してます。あらゆる手で老化を止めてます」 80歳 「(保湿を)やるとやっぱり違う。われわれの教育や育った環境は“男らしく女らしく”だけど、今はそうは言ってられない」 一方、美容に気を遣う男性に対し女性たちは… 20歳 「やってるよねみんな。お父さんとか」 40歳 「前は嫌だったんですけど、今は男性が美容をするのが当たり前になってきた」 “ポマード”でおなじみの政治家が身だしなみの走り? 出水キャスター: 男性の化粧品全体の市場規模は成長し続けていて、2019年は278億円だったのが、2024年は497億円と5年で約1.8倍に増加しています。 インテージ 市場アナリストの依田亜矢香さんによると、▼コロナ禍はマスク生活で肌が荒れたり、オンライン会議で画面に映る自分の顔に驚愕し美容意識が高まり、▼現在はSNSで様々な男性がメンズメイクを発信しているため、特別なことではなく、日常の習慣として定着しているというのです。 男性の美容にまつわるこれまでの流れをみると、1990年代は美容への関心は限定的で、清潔感を最も重視し、整髪料やヘアトニックなどを使う程度でした。当時、橋本龍太郎さん(第82・83代内閣総理大臣)が身だしなみの走りだったそうです。 星浩さんによると、「当時はポマード(ワックスよりも少し硬めの整髪剤)で頭をなでつけたスタイルがおしゃれだった」ということですが… TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 永田町では衝撃でしたね。 井上貴博キャスター: それまで政治家のみなさん、髪の毛はどうしていたのですか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: ほとんどボサボサというか。床屋さんにはしょっちゅう行くんですけどね。橋本さんはおそらくスキンケアもやっていたと思います。 海外の政治家はもっと早く身だしなみに気をつけていましたが、日本は遅かったですね。 出水キャスター: 実際に1990年代あたりから、美容や見た目に対する感度が上がってきたようです。 【男性化粧品のトレンド】 <1990年代〜> 美容への関心は限定的 清潔感を最も重視、整髪料やヘアトニックなど <2000年代〜> メンズコスメの登場 ニキビ改善など肌の悩み解決が主な目的 <2010年代〜> メンズメイクの普及 アイブロウやシミ隠しなど、コンプレックスのカバーから印象を良くする事にシフト <2020年代〜> 自己投資 脱毛が身近に。肌質や目的で製品を選ぶ ※男性専門の総合美容医療「ゴリラクリニック」調べ 化粧品はジェンダーレスに そんな中、注目するのが新しい美容トレンド『ジェンダーレス』です。 男性基礎化粧品市場は2024年に497億円に達し、そのうち約9割の438億円が『基礎化粧品』で、2019年と比べると▼クレンジングは約3.2倍 ▼パックは2.9倍 ▼美容液は4.9倍に増えています。(インテージ調べ) 化粧品メーカーのBCLは2023年から男性も使いやすい顔用パックのシリーズを発売しました。 『サボリーノ目ざまシートアンドホワイト(1540円 / 32枚入り)』は従来よりも横長タイプのワイドシートで、男性でもしっかり顔全体をカバーできるサイズ感です。 9月は保湿やニキビケアに特化した2種類を発売予定だということです。 星さん、最近の政治家の方はお肌に気をつけている方はいますか? TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 昔の政治家は選挙活動のとき、日焼け止めなんか全く使いませんでしたが、最近の政治家は普通に使っていますよね。ただ石破さんは先日の参院選でおそらく日焼け止めを使ってなかったので、こんがり日焼けしていましたね。 あと、眉毛を整える政治家も増えましたね。 出水キャスター: 男性がこれからの美容市場を牽引する時代になっていくのかもしれません。 ========== 〈プロフィール〉 星浩さん TBSスペシャルコメンテーター 1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年